バッハ 組曲 ホ短調 BWV996
第5曲 ブーレ
ワイマールの宮廷オルガニストだった時代(1708 - 1717)の作曲で、「Lauten Werkの為の作品」となっておりリュート(Laute)とは異なったガット弦を張ったチェンバロ(Lauten Werk)用の作品であるらしい。
この組曲の構成は古典組曲の常道を踏んでおり、序奏と5曲の舞曲から構成されている。サラバンドと終曲ジーグの間に挟まれる“任意の曲”にはブーレが選ばれているのは、イギリス組曲1・2番と同じ形となっています。
ところで、リュートはフランス語では男性名詞、ドイツ語では女性名詞となる珍しい名詞です!!
ナルシソ・イェペス(1927〜 )
1972年9月 マドリードで録音
12才でバレンシア音楽院に入学、20才で名指揮者アルヘンタに見いだされ、マドリードでロドリーゴ≪アランフェス協奏曲≫を演奏し、センセーションを巻き起こした。25才の時、ルネ・クレマンの名画≪禁じられた遊び≫の音楽をギターのみで支え、その音楽と共に一躍世界に知られる所となった。
コンサート活動を続ける一方で、エネスコには指揮法を、ギーゼキングにはピアノ奏法を学ぶことで音楽を深める努力をしている。バッハを演奏する為には、ギターでなくリュートの方が良いかも知れないと判断するとリュートをもマスターしてかかる等、常に自身の音楽を作る前向きの姿勢を惜しまず、現代最高のギタリストとして名声を得ることになった。
バッハのリュート組曲の録音は1972年、45才の円熟期に行われたが、10弦ギターを使用している。