<酒のふた版おはじき>
要するに、日本酒または地酒のふたをおはじきにして遊ぶゲームである。
ルールは一般のおはじきと変わらず、相手のふたをひっくり返すかフィールド場外へ出すと
勝ちとなり、そのふたを相手からもらうことが出来る。
現在某TVアニメで放映されているカードバトルでも取り上げているように、
レアなものは誰もが狙ってくるもの。
私が小学生であった時代にもレアなふたをめぐり、様々な酒ぶたプレイヤーがバトルを
くりひろげていたが、やはりチャンピオンは強かった!
「それ反則だよ」と言われるかもしれないが、簡単にひっくり返されないようにふたの裏に
ロウを固めてバトルにのぞんだこともあった。
しかし、チャンピオンはもっとすごい反則をレアふたに施していた。
それは・・・なんと金メッキされた鉛の塊である!(本物の硬貨との二重コーティングの噂も!)
こいつに正面から挑むと当たった瞬間に場外にはじき飛ばされるどころかフタのふちが
へこんでしまうのだ。ましてやそいつを動かすことは至難の業!!(まさにグー○ズ状態!)
当然のことながらチャンピオンのふたの所持数は日増しに増えていき、私が確認しただけでも
デコレーションケーキが入る位の箱につまっていたほどになっていた。
こうなれば、こちらも鉛を入れて対抗するしかない。
そう感じた何人ものチャレンジャーが再度バトルしていった。
しかし・・・しかし! 何度挑んでも結果は同じであった。 同じ鉛であるのに・・・・・・。
もはやチャンピオンに勝てるプレイヤーはいないと多くの同級生が感じていた。
だが・・・・・・彼は負けた! 負けたのだ!!
残念なことにその瞬間に私はいなかった為、どんな酒ふたタイプにやられたのかは解らなかった。
負けた本人とはそんなに親しい間柄ではないので直接話をすることはなかったが、
周囲の人の話によると、彼の酒ふたが相手のそれに当たった瞬間裏返しになったという。
なんでも相手のふたは、ものすごくぶ厚さがあって彼がそれに刺激を受けてバトルしたらしい。
「戦いは、やり方次第で有利にも不利にもなる。 チャンピオンを負かした相手にしろ、あきらめず
に色々考えた結果なんだな。」 そう私は感じた。