少年サッカークラブ
サッカー、第一歩
私がサッカークラブに入会して一番最初にやった練習は、ボールの蹴り方であった。
ゴールより約3m程離れた所からボールを蹴って入れると言う初歩の初歩の練習である。
「3mだろう、簡単じゃないか! 野球のバッティング練習より球が当たり安そうだ!」
そう思ったのもつかの間、一回目は屈辱の空振り! 二回目は・・やった! 当たった!
しかしボールは空しく右にスピンし、ゴールとは程遠い所にぶつかって止まった。
三回目・・・四回目・・・・・・・・・十回程蹴ったがゴールインはおろか、枠にも入らない。
「どうしてだろう?」 そう思っていた時、そばにいたコーチが私に一言いった後、軽く蹴った。
ボールの勢いは私のものと変わらないのに、真っ直ぐにゴールインした。
そのコーチは、五回程蹴って一回目と変わらぬ勢いとコントロールでゴールに押し込んだ。
「なぜだろう?」 そう思っていると、コーチがボールの蹴り方及び名称を教えてくれた。
サッカーを試みた人はもういいよと思われるかもしれないが、知らない人の為に下記に
説明しておきます。
この日教わった蹴り方と名称
インサイドキック : 自分の利き足の土踏まずを前にしてその部分をボールにあて、
押し出すように前に蹴るやり方で、足とボールとの接点がある分
蹴った方向へほぼ確実に行くが、足をあまり振り上げない為、
遠くへ飛びにくい欠点がある。
インステップキック: ボールが自分の蹴りたい位置に近づく時、その位置の脇に
軸足(利き足でない方)をかかとから踏み込み、地面と直角に
した利き足の甲でボールの中心を思い切り蹴るやり方で、
うまく当たれば遠くへ飛ぶが、失敗すると全然見当違いの
方向へ行ってしまうので、ボールの来た状況に応じて蹴り方を
変える必要がある。
上手い蹴り方のコツ
軸足は必ずボールの真横にかかとから踏み込んで添える。
蹴る方向に軸足の先を向ける。
蹴る時は、体をのけぞらない。(やや前かがみで蹴る。)
以上のことを教わり、蹴り方だけでもこれだけの決まりがあるのかと感動してしまった。
かくして私のサッカー人生は幕をあけた。