2004年9月議会報告

公民館保育の有料化についての請願が採択されました。

  今年の5月、公民館の自主サークルの保育が有料化されると、突然利用者に伝えられました。あまりにも一方的な通告に対して、
◆公民館運営審議会などの場でも意見を聞き利用者とも十分話し合う機会がほしい
◆金額については、利用者を含めた関係者の意見を聞きながら決めてほしい   という、請願が利用者から出されました。
  請願にいたる間に、説明が不十分だったことを市も認め、10月1日からの実施はひとまず見送られました。しかし、委員会の場でこれまでのことを明らかにしてほしいという利用者の意向を受けて、岩本ひろ子が筆頭紹介議員となり委員会で審査されました。
  請願は全会派一致で採択され、有料化については市民をまじえた議論が始まる予定です。

代表質問
  
  小平の議会では、一般質問の答弁をするのは、担当部長が主ですが、代表質問の場合は市長(または教育長)となっています。
  毎年9月議会の2日目、各会派 からの代表が市政運営について質す代表質問が行われています。
 代表質問が始まって4回目の今年は、「緑 ・ネット」を代表して苗村洋子が質問しました。

政策法務と条例づくりで自治を広げよう
  2000年4月のいわゆる地方分権一括法施行以来、自治体政府の役割はますます重くなっています。条例を分権・自治の視点でとらえ直して活用することが必要です。そして、新たな政策を進めるときには、法律を自治体が独自に解釈することやそれに基づいて条例をつくっていくことが欠かせません。これが政策法務です。こうした分権・自治の姿勢を示し、自分たちの「まち」の姿、あり方を自分たちが描き出し自治を広げていくしくみとして自治基本条例を提案しました。「必要性を感じていない」という市長の答弁には、相変わらず国→都→市という過去の遺物である通達行政の精神がしみついているとしか思えません。

総合行政だからこそできる環境対策を
  自治体には、総合的な判断が求められる課題はたくさんありますが、とりわけ環境問題の解決を考えると、たいへん多岐にわたる内容となり、環境部だけで対応できるものではありません。環境を優先させつつ市民生活と調整を図ることが求められているのです。環境問題は行政だけで解決することが不可能でありながら、解決するための枠組みやしくみ、方向性といったものをつくることが行政には求められています。そこで見えてくるのが市民の参加と企業の参加です。そして、総合行政である市という規模と構造を生かして、環境施策を進めていくことが必要だと思います。主に庁内連携と企業との連携を求めました。

福祉は施設からの脱皮をめざそう
  宮城県の浅野知事が今年2月「みやぎ知的障害者施設解体宣言」を出しました。これは、2002年11月に宮城県福祉事業団が発した、船形コロニーを2010年までに解体し、入所者全員を地域生活に移行させるという「施設解体みやぎ宣言」を受けて、これを宮城県内にある知的障がい者の入所施設全体に広げようと出されたものです。最近の福祉制度の変更は、介護保険も支援費も、本来在宅福祉を基本理念として、年をとっても、障がいがあっても地域で暮らすことができるように始まったはずです。この小平のまちの中で暮らしていくことを選択できるように、福祉施策は施設から在宅に移行する方針を立てて、計画的にやっていくべきであることを主張しました。


苗村洋子 一般質問

プラスチックごみの発生抑制と処理について
 今年5月、東京都廃棄物審議会から「廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進について」の答申が出されました。諮問も答申もプラスチックのサーマルリサイクル(熱回収)を進めることが示されています。この背景にはさまざまなことが考えられますが、「どうしてこの時期に?」という思いがぬぐいきれません。というのは、ちょうど容器包装リサイクル法の見直しについて検討され始めたところだからです。この答申が出てあまり間をおかずに環境省が廃プラスチックの焼却を原則義務づけると報道があり、この真偽ははっきりしませんが、焼却を否定する材料は全く出てきていません。さらに、リユースびんの優等生である学校給食のびん牛乳が紙パックに変わるということまで、この時期に出てくるということは、容器包装リサイクル法改正を骨抜きにしようという画策ではないかと勘ぐられても仕方ないような状況だと思います。この勘ぐりが杞憂だとしても、結果として容器包装リサイクル法の改正が骨抜きになったら、こうした都の姿勢、方向性は大きな責任を問われることにならざるをえません。
  また、東京都は中央防波堤の埋立地を管理していますが、焼却やリサイクルなどの事業を実施しているのは市区町村やその連合体である一部事務組合です。東京都のやるべきことは、このような諮問をして各自治体に影響力を行使することではなく、答申にも示されているリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、マテリアルリサイクル(再生利用)という優先順位を着実に実行することです。ディーゼル規制を国に先駆けてやることによって国を動かしたように、例えばデポジット制度、またメーカーに負担金を出させる、あるいは環境税(これはかなり議論が必要ですが)など、国に先駆けて具体的な方策を検討することです。八都県市(埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市)にはたらきかけてやっていくのはさらに有効な手段だと思います。
  このような東京都廃棄物審議会の答申に惑わされることなく、小平市としての方針を貫くよう求めました。

特別支援教育については
現在準備が進められていますが、具体的な動きがないため、小平市教育委員会の特別支援教育に臨む姿勢、基本的考え方について質問しました。残念ながら、特別支援教育が具体化されるにつれて、だれもが一緒に学びながら、それぞれの子どもに必要なサポートを提供するインクルージョンの教育と似て非なるものになっていくように思えます。 障がいのある子どももない子どもも、ともに地域の学校で学び、育つことができるよう今後もはたらきかけていきます。


岩本博子 一般質問

パソコン教育と情報リテラシーについて
  インターネットや携帯電話が急速に普及し、自分のホームページを持ったり、ネット上の掲示板に書き込むなどのコミュニケーションは小学生の間でもおこなわれています。今やパソコンは子どもたちにとって情報収集やコミュニケーションの道具として大変身近な存在となっています。市内の全小中学校にパソコンが設置され、インターネットにも接続されてハード面の環境整備が整い、総合学習や技術の時間にパソコンの授業がおこなわれています。
  ところがハード面での整備に比べ、ネットの危険な側面を含め、ルールやマナーについての教育が十分におこなわれてこなかったのではないかということが、マスコミでも指摘されるようになり、取り組みを始める自治体が増えてきました。しかし、ルールやマナーだけではなく、パソコンには便利な側面と危険な側面があることを教え、禁止する、制限するという方法ではなく、子どもたち自身が情報を正しく捉え、パソコンと上手につきあう力をつけさせるリテラシー教育が必要であるという視点で質問をしました。そして授業でチャットの体験を試みている学校の紹介、学年に応じたプログラムで操作とリテラシー教育を平行しておこなうこと、保護者への情報提供、教師への研修、アドバイザーとして専門家の協力を求めるという提案を行いました。市も必要性は認識しており、研修の充実をはかっていくという答弁はありましたが、今後の取り組みについて具体的な考えかたは示されませんでした。
  学校で授業としてパソコン学習をおこなっている以上、子ども自身が判断する力をつけるリテラシー教育が適切におこなわれていくよう、今後とも関心を寄せていきたいと思います。

学校給食でのびん牛乳を存続させよう
  生活者ネットニュース「こだいら」の1面でも詳しくとりあげましたが、市民の皆さんに広くこの問題について知っていただきたいと考えて一般質問しました。 びんの存続については厳しい状況にありますが、環境の視点から紙パックへの切り替えは容認できないという立場で、びん牛乳の存続に向け関係機関にはたらきかけていくよう強く主張しました。