生活者ネットニュースこだいら No.70 2005年8月20日 |
身近な水源 地下水をまもろう
水辺空間は街にうるおいを生み出しますが、小平市には川や湧水がほとんどありません。玉川上水や少しずつ水流復活が進んでいる用水路などを守り活用していく活動が続けられているのは、小平をうるおいのある魅力的な街にしていこうという市民が多いことを示しています。私たちの飲み水になっている地下水も、目には見えませんが、守り活用していきたい大切な資源です。 水道水源としての地下水 |
議会報告・・・2005年6月議会報告はこちら |
市民がつくる自治基本条例 小平・生活者ネットワークでは、5月から学習会を皮切りに、自治基本条例づくりに向けて活動を始めています。7月10日の14周年記念行事では、多摩市や川崎市など数多くの自治体で市民参加型の自治基本条例づくりに関わってこられた(財)地方自治総合研究所主任研究員の辻山幸宣さんにお話しをしていただきました。 |
小平・生活者ネットワークでは教科書採択に対する要望書を提出しました
新しい価値観は子どもたちが決めること |
生ごみのリサイクルを目指して 〜泣Aグリクリエイト見学〜 小平市地域協議会では、2年前から活動のテーマとして、生ごみのリサイクルを掲げ、学習会などを行ってきました。その流れの中で、今回、食品リサイクルシステムを実践している泣Aグリクリエイト(茨城県稲敷市)を訪問しました。 ここでは家庭や学校、事業所などで出た生ごみを乾燥させたもの(一次生成物)を集め、肥料にしています。その肥料を使って作った米や野菜を都会の消費者が食べるというシステムができています。このシステムに参加している農家の土壌分析や維持管理の指導を行い、アドバイスもしているとのことでした。 本社での説明の後、肥料への加工をしている神栖市の池田産業の工場を見学しました。運ばれてきた一次生成物は、まずふるいにかけられて大きなものや、時に混じっている金属等の異物が取り除かれます。出す側できちんと分別することになっていますが、ビニールの切れ端やスチールたわしのかす等の異物が混ざってくることがあり、これらは着払いで元の事業所などに送り返し、きちんと認識してもらうそうです。 工場の中にはふるいにかけられた一次生成物が山のように積まれていましたが、生ごみ特有の嫌なにおいはまったくありません。運送会社のトラックが各事業所からの一次生成物を搬入する時も、臭いがないため一般の貨物と一緒に積み込んできていると聞きました。一次生成物に酵素、糖蜜、天然のミネラル分(カルシウムやマグネシウム)を加えて攪拌し、15分ほどでペレット状の肥料ができあがります。できあがった肥料は農家で野菜や米作りに使われ、消費者の台所に帰ってきます。 現在、小平市では市内の全小学校に生ごみの乾燥処理機がおかれ、個人が市の回収ポイントに持ち込んだものと併せて肥料工場に持ち込むところまではやっていますが、それを地域で肥料として使用する循環のしくみはできていません。学校給食から出たもので作った肥料で学校農園などで栽培学習をおこない、植物の観察や食べものへの考え方、土のしくみ、環境などについて学ぶことができる。こんなしくみができたらいいなと思った一日でした。 (川合) *小平市地域協議会:生活に必要な機能を社会につくるために、市内の団体が定期的に情報交換しながら連携し活動している生活 クラブ運動グループ |
苗村洋子のわいわいコラム 多様性を認め合う社会へ 先日東京都の広報を見ていてびっくり。「基本的な生活習慣は学力に影響」というタイトルで、朝食習慣と正答率の関係のグラフが載っていました。朝ごはんをいつも食べている子どもが、食べない子どもよりも教科の正答率が高いことを示しています。どんな調査でどのように結果を導き出したのかわからないグラフですが、わたしがいちばん驚いたのは、朝食を成績に結びつけ、何でも教科の成績という価値観で見ようとするとらえ方です。朝ごはんはもちろん食べた方がいいと思うけれど、それは体にとって必要だと言えるからです。 世の中に寛容さがなくなってきて、薄っぺらなひとつの価値観だけで人間をとらえようとする傾向がどんどん進んでいると感じます。だれでも多面性を持っていて、それが厚みのある人柄を形成していくんだろうに、スッパリ切って捨てて、勝ち組と負け組、いい人と悪い人、敵と味方、ソンとトクに分けてしまう。これってときには必要かもしれないけど、こればかりになると「そうでない人」を排除する方向に突き進んでいきます。 世代交代するたびに過去の価値観を壊してきた歴史があって、ここへ来て壊しすぎたことに気づき始めたように思います。人間の厚みをそのまま受けとめられる世の中は、今の時代にあっては多様な生き方を認める社会です。わたしたちの社会が壊してしまった寛容さを、過去とは違うものにつくりかえて復活させなければなりません。決して回帰を望んでいるのではないし、また回帰できるはずもありません。人を色分けせずに丸ごと見る努力から始めますかね…。 |
窓 これからの保全活動の1つの試み 小平市玉川上水を守る会 世話人 庄司 徳治 |