「来年から学校給食のびん牛乳が紙パックに変わる!?」
                2004年8月29日(日)集会におけるアピール


 来年度から学校給食の牛乳をびんから紙パックに変えるという東京都教育委員会の突然の方針に急遽開催した、緊急集会「来年から学校給食のびん牛乳が紙パックに変わる!?」では、6市(国立、国分寺、東大和、東村山、小金井、小平)以外からの参加者も大勢集まりました。各市の調査報告や紙パックとびんのLCA(ライフサイクルアセスメント)の比較の発表、参加者からは活発な意見交換が行われ、最後に緊急アピールが読み上げられました。アピールにあるように、今後も関係機関にはたらきかけを続けていきます。


緊急アピール

 「来年度から学校給食の牛乳をびんから紙パックに変える」という東京都教育委員会の突然の方針に、私たちはたいへん驚きました。何度も洗って使えるリユース(リターナブル)びんは、紙パックよりも環境への負荷が少なく、循環型社会を実現していくには、リサイクルよりもリユースを優先させるしくみが欠かせません。学校給食は、びんの回収を考えても一般市場のリユースびんに比べてはるかに効率がよく、子どもたちが環境問題に目を向けるようになるためにも、すぐれた材料です。 
  東京都は、学校給食の牛乳でびんを使っている割合が全国的に見ても高く、学校給食に関わる栄養士をはじめ、教育委員会など多くの人たちの努力によって現在の実績があるのだと思います。しかし、容器包装リサイクル法を見直す検討が始まっているこの時期に、リユースびんから紙パックに容器を変更しようとしています。今求められているのは、事業者が容器の処理まで責任を持つ拡大生産者責任の実現です。今回の動きは、こうした時代の要請に逆行しています。さまざまな手立てを講じてリユースびんを存続させていかなければ、ワンウェイ容器の増加に歯止めがかかりません。 
  社会全体でリユースが優先されるよう、経済的なしくみづくりが急がれますが、まずは、今あるリユースびんが存続できるように、価格の面でも調整を図るべきです。
  私たちは、子どもたちが学校給食で今後もびん牛乳を飲み続けていけるように、各市の教育委員会、東京都教育委員会に要望します。
  今回の問題をきっかけに、学校給食の牛乳については、容器だけでなく、残乳の問題や、これまで牛乳に頼りすぎてきた栄養の問題など、考えるべき課題がたくさんあることがわかりました。このような課題については、引き続き検討・議論していかなければなりません。
  今日の緊急集会をはじめとして、私たちは、学校給食の牛乳にこれからもリユースびんを使用するよう求め、関係機関にはたらきかけていきます。

                                         2002年8月29日

                                                    6市リユースびんネットワーク

学校給食のびん牛乳の存続について

 
来年度から学校給食の牛乳をびんから紙パックに変えるという東京都教育委員会の突然の方針が出されました。それに対して緊急集会「来年から学校給食のびん牛乳が紙パックに変わる!?」を開くなど、さまざまな働きかけをしました。

緊急集会「来年度から学校給食のびん牛乳が紙パックに変わる!?」
・9月議会にて岩本ひろ子が一般質問を行う。
・小学校の保護者より「学校給食のびん牛乳の存続を求める」請願が出される。
・小平ネット「子ども部会」が環境について活動している市民団体と共に立ち上げた「親子で考える環境の会ペップ」で
  ペープサート劇「びんと紙パックちゃん」を作成し、上演。

        

 さまざまな活動を行う中、びん牛乳を学校給食用に供給できる業者が見つかったこともあり、教育委員会では急遽、保護者にもアンケートをとりました。独自にびん牛乳を継続することにより給食費の値上げを伴うことになるが、アンケートの結果はびん牛乳の存続を求める人が70%以上というものでした。

■生活の中で実現してこそ教育
〜リターナブルびんのよさを知るペープサート劇〜

 給食のびん牛乳が紙パックに変わる――この話を聞いたとき、「なんてもったいない!」と思いました。
  いま、子どもたちの環境意識は進んでいます。自慢するほどの地球にやさしい生活をしていなくても、わが子に環境保護の考えが根づいているのは、学校で学んだことを生活の中で実践しているからこそ。
  びんから紙パックになれば教育が建前になってしまうと思い、リターナブルびんのよさを子どもたちに再確認してもらう劇をつくりました。環境の会という頼もしい助っ人を得て、私がシナリオを担当、人形や小道具作りなど、子ども部会の底力発揮で劇はあっという間に完成。娘や友だちも劇の参加を申し出てくれて、楽しく集会を終えることができました。
  ネットを中心とした働きかけのすえ、びん牛乳の継続が決まりました。「おかしいな」の声を出すことで、理想を現実にできることを、子どもたちが肌で感じてくれたことを嬉しく思います。
                                          日向美砂子

小平市では2005年度以降も学校給食の牛乳はびんで提供されることになりました。