*午前五時起床。朝のお勤めを済ませ、今回の修行専念で有る「御薬師様」の掛け軸を仕舞い込み、食事も取らずに早々と自宅を出る。今回のメインは近所で弟子入りした行者、「S氏」が唯一?の同行者?だ。…‥っと言うより、S氏の起っての願いで、S氏の家内に祀る「御薬師様」をメインに一切の計画を立案した。私の家内に祀る諸神仏は、PCを使って一枚の御影札に仕立て、フォト・スタンドを用いて現地で祀り、勧請・開眼の予定で有る。 |
*コンビニでクーラー用の氷と朝食代わりの「サンドイッチ」を求めていざ「中央高速」へ。百十q位の巡行スピードで快調に飛ばす!サンドイッチは車中食で有る。「S氏」が食事の前に「薬を飲まなくては!」っと言う事で、「藤野PA」に立ち寄る事にする。私はついでにトイレ休憩。車に戻るとS氏曰く、「薬が無い…‥!」ん〜じゃァ、トランクを開けましょう。………んッ?「ト、ト、トランクが開かない?」あァ〜ら、どうしましょ!取り敢えず九時を過ぎればSAが開くから、そこ迄我満!…‥ッと言う事で。…‥が?途中で予備の薬を見つけ、車中での食事は終了した。 |
*九時頃丁度良い具合に「双葉SA」に車を入れる。メカの人に話をすると、「ドライバー貸すから、自分でやんなョ!じゃなきゃァ、JAF呼ぶしかないんじゃなァい?」…‥なんて冷たい言葉…‥。オメーらソレ仕事だろ…‥?バカくさくなって出発する。「塩尻IC」を出てからディーラーの修理工場でも探しますか…‥。っと、云う事でしょっぱなから気が重い旅立ち?となった。まァ、いっかァ!車が動かなく成ったわけじゃァないし…‥。でも「日頃から供養してるンだから、何とかしてよォ…‥!御願いしまァす。」 |
*「八ヶ岳PA」にてトイレ休憩。S氏が帰って来る前にチョイト煙草を一本。んッ…‥?‥…何だコレ…‥。「何でこんな処にCRCが有るんだァ!」まてよ…‥!これでスベリを良くしたらヒョットすると…‥。「ヤッタぁ!」何で気が付かなかったんだろう。…‥そっか、お願いしたから教えてくれたんだネ。「皆様!有り難う御座います。」感謝・感謝…‥。てなわけで「御嶽山迄出発進行!」やっと気が楽になった。 |
*「八ヶ岳PA」を出て、アッと言う間に諏訪潮を過ぎ、「岡谷JCt」経由で長野自動車道に入り、「塩尻IC」で高速道路を後にする。国道十九号線を「名古屋」方面に向かいながら、亦もコンビニを探し始める。昼食と牛乳等の保存用飲料を買い求め、いざ「御嶽山」ヘ…‥。と云っても未だ一時間少々は掛かるのだが、心は御嶽山迄飛んでいる。ひたすら車を操りやっと登り口に到着する。写真 |
*今回は完全なる精進と云う事で、五辛・及び動く物を一切避けた。従って自炊と成りそれなら宿は「キャンプ場」と云う事に計画がまとまっている。とにかくどう頼み込んでも「他の宿泊客との別料理は無理!ましてや完全な精進料理なんて、少人数では特別料金に成りますョ!」…‥だそうで、出し汁も「しいたけ・昆布」だけに拘ったせいか…‥? |
*ならばせめて滝場のそばにでも野営が出来ないか?問い合わせれば…‥。指定地以外の野営は一切認められていない。従って「キャンブ場」に成らざるを得なかったので有る。結果的には「新滝入口」迄車で約七分と云う格好の地であった。「修験道とは、大自然が織りなす根元的な真如を我が物とし、これを直ちに実習し実証する道に…‥。」チョットばかし整備が行さ届き過ぎだが多少は止む終えないか!取り敢えず身の回りの世話は自分でする訳だし。まァ是も現代風と思って諦めますか。 |
*先ず王滝口入口の御嶽山神社「里宮」遙拝場にて、全山の神佛に御挨拶の法楽を済ます。後に「新滝の行者小屋」の情報を聴き込んでいたので、社務所に立ち寄り詳細を教わる。「利用の場合は一週間程前に要連絡、素泊まりのみで一泊五百円。当日此処の社務所に立ち守り鍵を借りて行く。」との事であった。 |
*実際の処「滝行専念」の場合で一泊位が適当そうで、生活用品一切荷揚げしての連泊には適さなそうだ。せいぜい簡易コンロで暖かい飲み物等、又は乾麺類にて自炊するのが関の山、保存の利かない食品類は一切不可とみた。毎度下迄降りて買い出しに出掛けるとなると、少々考えものである。ましてや、小屋迄の荷揚げ付きとなるならば…‥。昔は全てそうしていたのだろうが、如何せん昔程に時間的余裕が無い!是も時代の流れで有ろうか?修行が第一と言っても、仕事の合間に出張修行に出張ってる様なものだ。 |
*次に、此の御嶽山で行をして縁が出来、その後様々な縁を見せられ、とうとう家内の本専に収まった「愛染明王」御祀りする八海山神社に向かう。ここは昨年の十月に泊まり掛けで「愛染明王尊」を御祀りする処を探し求めて、あっちウロウロこっちウロウロの挙げ句にやっと探し当てた神社である。此処にて法楽を上げ、今回の修行の「無魔成満」を祈念し、今夜からの宿泊予定地で有る「銀河村キャンブ場」ヘと向かう。十二時頃に宿泊地に到着する。普通なら昼食時だが車中にて済まして有るので、今夜の自炊を始める迄は少々のんびり。 |
*余裕を持って予約しなかった為、「常設の六人用テント」泊となったが、登山の六人用テントとは多いに違い、スペースはかなり広い。荷物を全部運び込み、先ず今回の修行専念の本尊である「御薬師様」の掛け軸を祀る。その前方に今回の行の為に自作した、「前机」を組み立てて置き、「尊法」用に一面器を荘厳する。脇机は残念ながらスペースの関係で、段ボール箱で有る。「根付きの樒」も二本用意したので、護摩でも焚かない限リ樒の心配も無い。早速香盛をりして、昨日パソコンで作成した「御影札」の諸尊を勧請する。時間が有れば「十八道」で開眼供養したいのだが、残念ながら今回は「手法」の後に読経供奏で勘弁して載いた。 |
*終わった処で荷物の整理を始める。自炊具・食器・食料・クーラー等は、張り出したフライ・シートの下の、出人りに邪魔にならぬ処に分けて置き、適当に紐を通してランタン・香取線香・着替えの衣料等を吊り、床にマット等を敷き詰める。其れから個人の荷物の整理だ。整理が終わってみると、以外とゆったりスペースが取れ、密壇常設のままでもう一人寝られる。 |
*本山の「傳法学院」を卒業以来、「完全自己管理」(自炊等をも含む)の行は今回が初めてである。日頃は自宅からでも「滝行」に通えるし、佛間に密壇を構えて「尊法」も出来るし(在家得度の為、寺院で無く一般住宅)、此も皆佛縁のおかげである。今年で六十六歳に成るS氏にはチョット厳しい修行の四泊五日だが、佛縁を受け本山の「僧籍」を載いたS氏にとって一つの試練と思って耐えてもらおう。 |
*ましてや今回は「S氏の行」をメインとして、自分はあくまでもサポートであり、「あわよくぱ御相伴に預かって行をしよう。」なのだから…‥。随って今回は「越法」を承知の上で、S氏の念ずる処の「御薬師様」を本尊とし、其の「供養法」と行中に於ける「食事作法」・「施食作法」の傳授と実習に有る。時間が許すなら「滝行」にての禊ぎをも行いたい。「キャンプ場」での慣れない自炊の為に早めに夕食の準備に掛かる。食後は明朝から実習に人る「食事作法」・「施食作法」の傳授である。陽が長いつもりでいたのだが、山中のせいか六時を回ると薄暮である。 |