思えば、とてつもなく深い悲しみに襲われたときに
「それが宇宙だ」と教えてもらわなければ
ただの漆黒の闇の中で、震えて泣き続けるしかありませんでした
ミルを抱えたまま、破壊され消えていく灯に脅えるだけでした
そこが宇宙とわかった時に
こんなに怖いのは、見たことも行ったこともない宇宙だからだとわかりました
圧迫されそうな真っ暗闇も
人知届かぬどんな所にも
微細な光が降り注ぎ
塵が微かな星になりました
絶望の先の深い空間を示してくれました
思い切り、息を吸うことが出来ました
それでも・・・・
彼女の一生は
きっと、同じ闇にさまよわない限り
ただ悲惨な印象でしかないのかも知れません
それは勇気だけでなく
眼を背けたくなる恐怖も与えてしまっているのかと思うと
苦しいほどに切ないです・・・・・
ミルの一生は、人のそれ以上に壮絶だと思います
けれど、ミルは私を
どん底の悲しみに落としたまま逝こうとはけしてしませんでした
必ず私に笑顔をもどして暖かい光の基へ導いてくれます
そして、それはさらなる宇宙の試練でさえも・・・・・
最後のカルテは、うさぎ最後の宇宙から
ミルの光を感じてくれる心へ届けます
どうか、どうか
どうかミルが全身全霊で振り絞る小さな光を感じて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうか、それは闇に彷徨う恐怖ではなくて
穏やかに静かに漂う強い勇気でありますように
|