南アフリカの南部と言えば、ほぼ日本の九州の緯度に相当する温帯地方である。サバンナが大きく広がっている地方なのだが、南部の海岸沿いは、高く聳える山脈のお陰で雨が相応に降るみたいである。ボツワナのサバンナを歩いた後だけあって、少し救われたような気持ちで山腹の林道を歩いていたら、群生している訳ではないが、此処彼処に咲く美しい花たちが迎えてくれた。“ああ、いいね！”

　色鮮やかな花たちに見守られながら、てくてく歩いていると・・・“日本に帰るの、もう少し後にしようかな！”

　絢爛豪華な大きく目立つ花もいいのだが、道の傍らにこっそりとひっそりと咲いている小さく可憐な花もいい。南アフリカ南部の山では、多くの美しい花が１２月の暮れ間近の時を飾っていた。足下に咲く小さな花を、腰を屈めてじっくり見ていると、それはやはり絢爛豪華たる美しさである。

　小さくてもその造形の見事さは、大きな花にも負けない。いいよね、空は青いし・・・。