それは もう随分前の 雪の降る寒い夜の事だった


晩酌の買い物を終えて帰ろうとした僕の足もとで
この 売れ残った花は むくれていた

値引きの札が貼られ
日の光もろくにあたらない
スーパーマーケットの隅っこで


この花はむくれていた


僕はお金で花を買うことがあまり好きではない
でも 僕はこの花を持って もう一度レジに引返していた


いいスコッチ(ウイスキー)が手に入った夜だった


今夜は 何故か波長の合った
このむくれた花と飲もうと思ったんだ





翌  朝


昨  晩  ?

そう もちろん 深酒だったさ

カーテンを開けると
朝日が差し込んできた


ふと 見ると

冬の朝日を浴びて 昨日のむくれた花が 笑っていた



日のひかりって

花の表情を笑顔に変えるんだね




昨日のむくれた花が

冬の朝日を浴び


僕と 一緒に 笑っていた

冬の朝日を浴びて

   

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