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(update 2011/12/4)

さぁ今のうちに乗ろう、185系特急「踊り子」

 

(乗車日:平成23年11月6日)

   

   特急「踊り子」----昭和56年にデビューした国鉄185系電車を使った異色の特急で、当時沿線(大船)に住んでいた高校生のなかぶうはこの列車の登場に驚き、強い関心を持ったものである。

   それまでの国鉄特急電車と大きく異なったのは、
    1.新系列の185系電車を特急にも普通にも使用
    2.白地に緑のストライプをまとった斬新な塗装
    3.初めの半年間は急行「伊豆」として153系と併結して運用
   いずれも鉄道ファンとしてインパクト大の出来事だったが、それから30年が経過した…。

    ストライプ塗装時代の「踊り子」(昭和58年2月/東京)

 

    この185系電車による「踊り子」に廃止の噂は今のところない。それでもこの列車を取り上げる理由は185系電車が今や東海道本線東京口での最古参系列となっているからである。つい先年まで走っていた113系やブルートレインが相次いで消えた今、185系は順当に行けば“次”なのである。(ちなみにその次は211系?)

    そんなわけで去る11月の日曜日に伊豆急下田駅から上りの「踊り子108号」(伊豆急下田12::00〜14:42東京)に乗ってみた。既に当サイトで取り上げた「天ノ川“駅”」「あけぼの」に続き、今回はスリーデーパスを最大限に活用したことになる。

 

伊豆急下田で出発を待つ「踊り子108号」

 

    伊豆急下田駅で自由席特急券(1700円)を買い、出札口に並ぶ。列車ごとの改札なのでしばらく待ったが、いざ改札が始まり行列がゾロゾロとホームに流れ出すと殆どの乗客は先頭寄りの10・9号車へと向かった。

    全車指定席の「スーパービュー踊り子」「リゾート踊り子」とは異なり185系「踊り子」はこの2両だけが自由席車で、例えば東京まで行く場合に特急料金は指定席車よりも610円安い。沿線の温泉地で順々に客を拾っていく列車の性格上始発の伊豆急下田で自由席が満席になるとは考えにくく、指定席購入の必然性は低い。本日の自由席は伊豆急下田で定員の4分の1程度が埋まった。

 

東京寄りの10・9号車の自由席へと歩く

    さて自分も自由席9号車の海側席を確保できたので、車内がすいていることを良いことに少々鉄ヲタ的行動を…特急列車の窓を開けてみたのである。(右写真) これは185系電車が登場時に普通列車での利用も考慮されたが故の仕様で、特急型車両としては極めて特異なケースである。

 

 

    列車は定刻の12:00ちょうどに伊豆急下田を出発した。

  

窓が開けられるが、開ける乗客はまずいない

  

   次の停車駅河津でも自由席車を中心に乗り込んでくるが、指定席車はすいている。ところが面白いことに伊豆稲取・伊豆熱川・伊豆高原・伊東といった温泉地の中間駅では自由席よりも指定席への乗車が目立ち、隣の8号車もみるみる埋まってほぼ満席となった。途中駅からの乗客が指定席を確保しておくのは道理とも言えるが、旅行代理店が販売するマル契(宿泊とセットで販売する割引指定席乗車票)等の影響もあるかもしれない。

    列車は伊東で伊豆急行線からJR伊東線へ、そして伊豆多賀では普通列車(リゾートドルフィン編成)と交換する。かつての伊豆急行塗装を再現した車体に懐しさを感じるのはもうオジサンかな?

  伊豆多賀で「リゾートドルフィン」と交換

     

   列車は熱海13:22着で3分の停車、ここで前方へ既に待機している修善寺からの編成5両を増結する。この増結作業は取り立てて述べるほどのこともないのだが、作業時には決まって何人かのファンが見物に来るのが面白い。(自分のことを棚に上げるな、と言われそう)

    さて列車はロザ2・ハザシ9・ハザ4の堂々15両編成となった。昼行特急では昨今稀な長大編成であるが、日曜午後の上りとあって指定席はほぼ満席、わが9号車自由席も4分の3程度埋まっている。

   小雨の車窓が少々恨めしいが、列車は相模湾を右手に東京をめざす。 

 

熱海で前方に修善寺編成5両を増結

    

   小田原では若干の降車客、小田急に乗り換えるのだろうか?その小田原を出ると列車は次の大船までの25分を無停車ですっ飛ばす。185系は東海道本線東京口では唯一のMT54型モーター搭載車となったが、この区間はモーターを最大に唸らせ特急らしい快走を見せてくれた。このMT54型モーターは昭和40・50年代の国鉄電車の定番的なモーターであるが、搭載車両には廃車されたり地方へ転出した車両も多くなってきた。

    おっとその快走シーンを撮らなければと、わずか3分の1しか開かない窓を開け、小雨の中を中望遠で撮影敢行!こんなアングルで撮れる列車も今や少数派、いずれ思い出になるだろう。

    東神奈川のカーブ、モーター音を響かせ快走

 
   さて横浜から先は予想通り降車客ばかりとなった。デッキでは女性車掌が誤乗防止にニラミを利かせている。かと思えば川崎から次の品川まで乗ったビジネス客をちゃんとチェックして特急券の販売にも余念がない。もちろんこれで良いのであり、短区間だから料金不払いでも乗れそうと思わせないことが大切なのである。

    終点の東京が近づき列車は減速、ゴトゴトとポイントを渡って9番線に到着した。ここまで2時間42分、実は伊豆急下田を28分後に出る「スーパービュー踊り子6号」も東京着は同じ28分後である。それでいてわが「踊り子108号」の方が7つも停車駅が多いのだから駅間の快走ぶりもわかる。185系の長大編成がMT54型モーターを唸らせる日々が少しでも長くあってほしい、と思った。

東京着。意外?と速かった185系「踊り子」