(update 2006/07/24) | |
「旭浜駅跡」に立つ
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長く列車の旅を続けていると、車窓から「あっ降りてみたいな」と思う駅に突然出会うことがある。それらは山奥の駅であったり、あるいは原野の中、目の前が海岸の駅など、実にさまざまである。ただ多くの場合はローカル線の駅なので、ふらりと下車すると列車本数の関係上行程変更が難しい。そのため次回来訪の時には降りてみようかナ、と思うわけである。そしてその結果降りた駅…抜海・塩狩・小幌・光珠内・北舟岡…きりがないのでやめておく。 さて今回取り上げるJR北海道の旭浜駅。昨年7月に普通列車の車窓からみて「おっ、すごい原野の駅だな。話には聞いていたが野趣に富むなぁ」と思ったものである。ところがあまりの利用者の無さから本年3月にナンと駅廃止となってしまったのである! あぁ残念、これでは下車できない。しかしそれでも訪れてみたい。ではどうするか? |
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静狩の駅名標(旭浜の部分に長万部のシール貼付) | |
旭浜駅は室蘭本線長万部〜静狩のちょうど中間に位置する駅で、国鉄時代は仮乗降場(停留所のイメージ)であったが昭和62年にJR北海道へ移管されるにあたり正式な駅となった。しかし上述のように今春に廃止されている。「JR全線全駅」によれば一日の平均乗降人員がタッタ2人、こんな過疎地帯とあって並行路線バスなどあるはずもない。結局静狩から長万部までを歩き通し、途中にあるはずの駅跡を探すことにした。幸い道も鉄道も海岸沿いのため、道に迷うことはまずない。時刻表によれば静狩〜旭浜は5.3キロ、旭浜〜長万部も5.3キロなので合計10.6キロ、これは手頃なダイエットになりそうである。 天気は曇天から薄日がさす程度で、歩行&写真撮影を考えると条件は恵まれていたと思われる。 |
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ひたすら単調な「静狩国道」 | |
さて、静狩を朝の9時ちょっと過ぎにスタート。てくてく歩く。写真にあるように北海道らしいノンビリした道路である。しかし時折大型トラックも脇をすっ飛ばして行く。鉄道(室蘭本線)はずっと右手に平行しており、スーパー北斗やコンテナ列車が疾走して行く。 それにしても歩けど歩けど風景がさっぱり変わらないな〜と思いながらも1時間が経過、ようやく駅のホームらしきものが見えてきた。予想に違わず、これが旭浜駅“跡”であった。もっとも普段から都市の駅しか見ていないかたは、どこに駅のホームがあるのかといぶかるかもしれない。そんな折は右の写真と右下の写真をよく見て見当をつけてほしい。ホームには駅名標がかつてはあったと思われる外枠(支柱)のみが残り、少々哀れな感じであった。 |
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ようやく右手に旭浜駅跡のホームが見えてきた | |
この駅の西側は全くの原野、東側は道路を経て海といった具合で、確かに廃止したところで誰も困らないだろう。むしろ今までよく存続していたと考えるべきなのかも知れない。 駅としての使命を終えた旭浜、駅舎もホーム屋根もない雨ざらしの簡素なホームは、やがて土に還って行くのであろうか。
<追記> 10キロウォークは十分ダイエットになったはずだったのだが、現地でのラーメンとサッポロクラシックが遠来の士を非常に魅了してしまった。嗚呼、減らねぇよweight… |
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下りホーム跡。駅名標が取り外され外枠のみ残る | |
これが旭浜駅“跡”の全景である(200mmレンズで撮影) |
北斗8号が轟音をたてて通過していった |