トップページへ   夢は鉄路を駆けめぐるへ   最近の話題へ

(update 2010/06/22)

 

今夏は「北海道&東日本パス」に注目

 

 

   

   「北海道&東日本パス」……従来からある企画切符だが、只今鉄道ファンの間で話題沸騰である。それは今夏発売分から価格据置きのまま各種の“改良”がなされたためで、今回はその魅力を取り上げてみたい。

   ちなみに今までは10,000円でJR北海道・JR東日本・一部私鉄の普通列車自由席に連続5日間乗り放題という切符で、例外的に青森〜札幌の夜行急行「はまなす」(右写真)の普通車自由席のみ別料金なしで乗車が可能であった(他にも一部区間で特急に乗れた例外あり)。 この切符を使えば首都圏から北海道へ格安で旅行できるため、特に夏季の「はまなす」自由席では通路・デッキまで乗客が溢れることもあったようである。   

 

  青森で出発を待つ急行「はまなす」(平成16年9月撮影)

 

   さてそれでは今回変更(改良)された点を列挙してみよう。

   1.有効期間が連続する7日間に伸びた。
   価格据置きのため1日あたりの単価が約1,428円と、「青春18きっぷ」(1日あたり2,300円)と比べてもかなり割安になった。目的地と連続使用の点をクリアできればかなりの値頃感で、これには驚くばかりである。

   鉄道ファンの中にはこれなら通勤用にも使える?とジョークを飛ばす向きもあるが用途が広がったことには間違いなく、例えば首都圏在住なら北海道へ行く前日に河口湖往復(富士急行にも乗れる)で1日分使ってみるようなプランも可能である。

 

常紋峠を登る上り石北本線普通列車(平成20年9月撮影)

  

   2.別料金にて急行列車に乗れるようになった。

   今回から「はまなす」に限らず急行列車の普通車自由席&指定席・グリーン車・寝台車に別料金を払えば乗れるようになった。

   この点従来なら「はまなす」自由席に急行券無しで乗れたのにその分の出費が増えて制度改悪と考える向きもあるが、現地での熾烈な自由席獲得合戦を思えば予め指定席(カーペットカーも可)や寝台券を入手のうえ乗車できるメリットは極めて大きい。もちろん急行券を買えば自由席に乗れる点もその出費を総合的に考えると決して損ではないと思われる。 

 

 ローカルムードな常磐線末続駅のホーム(平成17年9月撮影)

  

    なお余談ではあるがエリア内の急行列車に乗れるメリットとして臨時急行「仙台七夕号」「能登」(上野〜直江津)等もOKであり、工夫次第でかなり乗り得な切符となったことには間違いない。他にも子供料金(5,000円)が新設されたほか、従来からの特例(一部特急利用可の区間)も踏襲されている点を付記しておく。

   今年に入ってからJR東日本の企画乗車券類についてはやや制度改悪が目立つように感じていたが、ここまでの不評を今回の「北海道&東日本パス」が払拭できるだろうか? 久しぶりに時刻表を買って旅行プランを練りたくなるようなこの切符の出現にそれを期待したいものである。
    

 

 国鉄時代の面影を残すキハ40のシート(平成21年9月撮影・函館)