(update 2007/01/11)

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「交流電化路線」は不便?

 

 

   『本日夕刻、水戸線の普通電車が走行中に異常音を感じて停車したところ、そのまま動けなくなり乗客200人が閉じ込められた。』

   自分はこの一報に接した時「またハイテク電車がゴネたのか?」と思ったが、原因はなんと停車場所がたまたま交直切替のデッドセクション上だったために立ち往生したとのことで、“鉄”向けの珍騒動ではある。

   首都圏のJR線は概ね直流電化であるが、常磐線(取手以北)や水戸線では茨城県石岡市にある「気象庁地磁気観測所」の観測に及ぼす悪影響を回避すべき法令の要請により交流電化となっている。従ってどこかに直流電化路線との接点を持たねばならず、水戸線の場合は小山〜小田林に約45メートルのデッドセクション(通電しない区間)を設け、ここを蛇行中に運転士が車両機器の交直切替操作を行うことになっている。

 

交直両用の常磐線415系(久ノ浜/平成17年9月撮影)

   JRの立場で見れば今回の事故はその僅か45メートルの区間に停まってしまった点が不運であったわけだが、そもそも一般乗客にとっては交流だの直流だの技術的な話以前に、無用の労を強要されないことが何よりも肝心である。東海道線や中央線、総武線等では有り得ないトラブルであり、JRとしても今後の類例事故に対してはその対処法を十分に考えておくべきであろう。(ちなみに今回の乗客200名は2時間半も電車に閉じ込められたようである)

   事例は異なるが昨秋に敦賀地区(北陸本線・湖西線)が従来の交流電化から京阪神地区と同じ直流電化に改められ、新快速を中心に京阪神への直通電車が増発されたことは記憶に新しく、福井県在住の知人も乗換えの労が軽減された点を評価している。交流電化のあり方については一つの転機なのかな?と思うこの頃ではある。

 

新快速電車は直流専用の223系(長浜/平成14年8月撮影)