(update 2006/03/06)

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「宮島航路事故」に思う

 

 

   先月末のこと、JR西日本の宮島航路(宮島口〜宮島)の宮島口桟橋で「みやじま丸」がスクリュー損傷のため制御不能となり、あろうことか隣の宮島松大汽船の桟橋に衝突する事故があった。操船訓練のため乗客がおらず、桟橋にいた客も直前に逃げてケガ人ゼロで済んだことは不幸中の幸いであったと言える。しかし昨年10月にも別の桟橋衝突事故があり、その時は重傷者も出ていたようである。

   事故原因は新型の船で操作に不慣れだったとか、海中の捨て岩に気付かなかったとか言われているが、報道によると昨年の事故も含めこの4年間で4回事故が起きており、さすがに多い感じがする。自分は本年1月3日に当航路を往復しているが、その時は厳島神社への初詣客で桟橋・船内ともごった返しており、そんな時に事故に遭っていたらかなりの惨事となったであろう。

 

宮島行き乗り場(左が宮島松大汽船、右がJR西日本)

    ところで昨秋の事故の折に、平行航路を運航する宮島松大汽船の関係者が「JRさんは鳥居廻りだからダイヤ確保も大変だろう」との発言をしている。確かにJR航路は乗客へのサービスとして厳島神社の鳥居前を迂回するように運航しているが、そのせいか繁忙期の10分間隔のピストン輸送は綱渡り的で、乗客の入れ替え即出航の繰返しである。こんな“余裕のなさ”も事故の遠因たりえるのかも知れない。先般のダイヤ改正で関西地区の余裕のダイヤがマスコミにも取り上げられたが、“大事故を機縁として”の繰り返しにならぬようお願いしたいものである。

   今や唯一残るJR鉄道連絡船としての宮島航路、安全運航を切に願うものである。

宮島から「みせん丸」が到着する