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(update 2024/03/15)

 

さぁ今のうちに訪れよう、中ノ沢駅

 

  (来訪日:令和5年9月10日)

   

   今春のJRダイヤ改正ではJR北海道の5駅が廃止される(路線廃止の根室本線富良野〜新得間の駅を除く)。本稿ではその中で函館本線の「中ノ沢駅」取り上げる。この駅は長万部町に属する駅で、長万部と国縫の間に位置する。当地の来訪は2023年9月、いささか時間が経っているが初秋の道南ローカル駅の雰囲気を紹介してみたい。

   来訪に際して北海道のローカル駅の常として列車ダイヤが不便である。自分が乗った函館発長万部行きの821Dは中ノ沢11:05着だが、この1本後は4時間近く列車間隔が開く。既に地元客には見捨てられているかのようなダイヤで、降りたのは自分だけで乗車客はゼロ。カメラを駅名標や貨車転用の駅舎に向けるファンばかりを乗せたキハ40が去ると静かになった。

 函館本線「中ノ沢駅」はこの位置
   

 

 それでは中ノ沢駅を観察してみよう。2面2線の線路配置はかつて中線が有ったことを思わせる。ホーム長はけっこう有るが、キハ40の単行or2連が停まるエリア以外は夏草が茫々、このまま自然に還るような雰囲気さえ感じた。駅舎は右写真にもある貨車転用の簡素なつくりだが、内部は整然としている。木製のベンチには丁寧に布が敷かれており、駅ノートも有った。

  

長万部方面の下りホーム(右に上りホーム)
 

 

   

 当然ながら無人駅かつ列車の来る時間帯でもない(1日6往復しか停まらない)ので自分以外には誰もおらず、貸切(?)の駅ウォッチングである。それにしてもホーム上の夏草の繁茂は半端ではなく、駅名標の存在が辛うじて現役の駅であることを証明するかのようであった。駅の廃止は2024年3月16日、おそらく雪に埋もれた駅名標は早々に撤去されることだろう。ページのタイトルには「さぁ今のうちに〜」と謳っているが、事実上本稿を御覧の頃には廃駅となっている点をお詫びする。

 

駅のホームという雰囲気ではない
 

 

   

 静かな駅構内を時折貨物列車がドドドと通過していく。

   今回のダイヤ改正で中ノ沢駅が廃止後も函館本線自体は存続するが、新幹線開業時にはこの区間の旅客営業は全廃される可能性が高い。駅が無くなり、普通列車が無くなり、通過する特急「北斗」も無くなると残るは貨物列車だけだ。ただ路線の存続自体がカネのかかる話なのでJR北海道の手を離れたのち、JR貨物/北海道/国がどのように費用負担するのかは全く不透明である。自分が存命中の話ではないかも知れないが、仮に新幹線での貨物輸送が実現すれば路線自体も無くなるだろう。

DF200牽引の貨物列車
 

 

   

 次の列車までかなり時間があるので長万部駅まで歩くことにし、中ノ沢駅をあとにする。函館本線に並行する国道5号線には函館バスの停留所・ドライブイン・食事処があり、(奇妙な言いまわしだが)人間の営みを実感できた。逆に言えば今回の中ノ沢駅をはじめ、特急停車駅以外のローカル駅は殆ど〇んでいる事実を改めて突きつけられたとも言える。

   JR北海道の函館本線、私見だが新函館北斗〜小樽間の無人駅は新幹線開業を待たずともその存続が極めて危うい。そう思わずにはいれらない今回の来訪であった。

さらば中ノ沢駅