(update 2014/10/10) | |
さぁ今のうちに訪れよう、雄信内駅舎
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(来訪日:平成26年8月27日) | |
北海道には無人駅が多く、それらの駅舎は貨車を転用した全く簡素なものから近年建築された瀟洒なものまで実に多様である。その中でも今回紹介する宗谷本線の雄信内(おのっぷない)駅舎は大正14年の開業当初(当時は有人駅)から使われている由緒ある駅舎であり、実際に当駅に降り立って眺めてみることにした。 12:14、稚内からの列車が雄信内に到着する。乗る人ゼロ、降りる人も自分だけであったが、いわゆる秘境駅とあって想定の範囲内の乗降ではある。去りゆくキハ54を見送り、下りホーム側にある駅舎へと移動する。今や珍しくなった国鉄時代の香りを残す木造駅舎との対面である。 |
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緑のなかへキハ54は吸い込まれ、付近は静寂になる | |
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上り線側から駅舎を撮影する |
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駅舎全景/近年外板の張替えがあったようである | |
次に駅舎内の待合室スペースを見てみよう。無人駅なので静まり返っているが、夏季とあって蛾などの羽音が時折響く。 かつて有人時代に切符を売っていた改札窓口は板が打ち付けられており、掲示板となっている。そして右側の低いカウンターは昔懐かしい手小荷物(チッキ)窓口の跡である。チッキは今では殆ど死語となってしまったが、トラックによる宅配便が普及する前(すなわち国鉄時代)には鉄道荷物輸送が重要な役割を担っており、この窓口跡はその名残りである。 余談だが写真右端はJR電話で、JR各機関への通信に使われるほか、一部旅行会社にも掛かるそうである。(イタズラしちゃだめだヨ) |
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駅舎内部はこんな感じである |
緑の掲示板には国土地理院の地図や列車利用時の注意喚起文書が貼ってあるが、そのなかに右写真の1枚をみつけた。「雄信内駅は由緒ある駅と聞いております。本日(十月二十一日)雄信内老人クラブが掃除に参りました。皆さんで気を配りましょうね。/この駅にお寄りの皆様へ」 という雄信内老人クラブによる貼紙である。 文末の“この駅にお寄りの皆様へ”の表現は鉄道ファン等を意識した文面と読めなくもない。いずれにせよ地元客の日常的な利用が殆ど無い駅でありながら荒廃した雰囲気が感じられないのはこのような有難い配慮があるからと思われ、いつまでもこの駅舎が存続することを期待したい。 |
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地元老人クラブによる張り紙を見つける |
ひとしきり駅全体を観察したあと、駅前の通りに出てみる。きれいな舗装道ながらクルマは全く来ない。それどころが数軒ある建物はすべて廃屋で、およそ人の気配が全く無い。果たしてここにいつ頃まで人が住んでいたのだろう?と思わずにはいられない程の光景であった。 さて本日はこれから更に6Kmほど離れた安牛駅まで歩くとしよう。聞くところによればやはり秘境駅のようだが、どんな所かな?
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駅前通り/全ての時間は止まっている |