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(update 2023/04/09)

 

新快速「Aシート」の将来性は

 

  (乗車日:令和5年1月3日)

   

   在来線特急と遜色ないスピードが売りのJR西日本「新快速」、表題の「Aシート」連結列車が2023年3月のダイヤ改正で1日2往復から6往復に増発された。首都圏在住のサイト管理人も改正前の1月に乗車する機会があったので、今回はその時の乗車記を簡単に綴ってみたい。

   ところで「Aシート」ってなに?と思われるかたもいるだろう。おそらく関西在住の人と鉄道ファン以外には殆ど知られていない(まぁ当然か)と思われる。これは新快速の有料指定席で、2019年に導入されたのち若干の運用変更を経て現在に至っている。有難いことに指定席券はJR東日本「えきねっと」でも予約でき、シートマップによる席番指定も可能である。料金は乗車距離に関係なく840円となっている。

姫路で出発を待つ「新快速2号」
   

 

 それでは「新快速2号」に乗ってみよう。Aシート連結の運用は平日と休日ではダイヤが異なり、わが2号は休日ダイヤとして姫路8:40〜10:43野洲となっている。

   さてやってきた編成は223系12連、その中の9号車(クハ222)がAシート車となっている。姫路始発とあって自由席車でも十分座れるせいか、姫路発車時は右写真のようにすいていた。自席は9号車3番D席で、進行方向左側の窓側である。山陽本線区間は南側の窓(A席)が眩しいためD席にしてみた次第。

   座ってみると座席はリクライニング、肘掛けにはコンセントがあり、前席背後のテーブルも引き出せるなど在来線特急の普通車レベルの内容は揃っている。改造車のため座席と窓割は扉を埋めたあたり(右下写真)の不一致が目立つので、車窓を眺めたいのなら席番指定で良席を押さえたい。

 

リクライニングシートが並ぶ
 

 

   

 列車はやや期待外れな利用状況で姫路を出発したが、なんと加古川・西明石・明石で乗客がみるみる増えてほぼ満席となった。思うに中間駅から確実に着席できるメリットが生かされているようだ。さらに客層としては夫婦や家族連れといった2〜4名のグループ客が目立った。これも座席指定のメリットで、空席があっても分散着席を嫌う客層がAシートを利用しているように見えた。

 定員46名の座席はほぼ満席のまま大阪に到着、すると初めてまとまった降車客(10数人)があるも乗ってくる客は無し。さらに京都では20人程の降車客があり、車内はかなりすいてしまった。(おそらく初詣客かな?)この先は野洲まで人の動きは殆どなく野洲着、先行していたホーム反対側の普通米原行きに接続した。

扉を埋めた付近の座席、壁が目立つ
 

 

   

 最後に乗ってみた感想を綴ると、車内造作に不満はなかったものの上り列車は草津または野洲行きのみで米原以遠まで行く運用には入っておらず、これはダイヤ改正後も同様である。大阪や京都で空席になった座席も米原や長浜方面まで行けるのなら再び埋まることも考えられ、滋賀県エリアでの空気輸送を回避できる可能性がある。一方で「青春18きっぷ」利用者等がシーズン中の姫路〜米原(米原〜姫路)の全区間を早々に押さえてしまえば地元客からの不満も出ると思われ、難しいところである。

   JR西日本としては今後もAシート車両連結の新快速を増やす可能性が有ると思われるので、推移を見守りたい。

立席(デッキ利用)は料金不要