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(update 2019/09/16)

 

さぁ今のうちに訪れよう、徳満駅

 

 
  (来訪日:令和元年9月7日)

   

    宗谷本線の無人駅探訪も回数を重ねるうちに、乗降難度の高い駅ばかりが残ってしまった感じである。今回紹介する徳満駅もその例に漏れず、停車列車の少なさからスケジューリングには苦しんだ駅である。

   思えば3年前(2016年)のダイヤ改正ではJR北海道の普通列車削減が話題となった。この宗谷本線でも元々列車本数が少なかったところに追い打ちが掛かった形になり、「青春18きっぷ」や「北海道・東日本パス」利用の旅行客はもちろん地元客にもいっそう利用しづらいダイヤとなってしまったようである。

    物置のような駅舎(待合室)が迎えてくれた
 

棒線駅のホームから稚内方面を見る

   

   そんなわけで今回は特急が停まる隣の豊富駅から歩くこととし、1時間少々歩いて夕方17:55頃に徳満駅に辿り着いた。道は国道40号線を北上すれば良いのでわかりやすいが、案の定時折クルマが走り去る他は沿道の人影は皆無であった。余談だがこの付近は山間地帯ではないので徒歩でもヒグマと遭遇する心配はなさそうで助かった(笑)。

 

駅全景、かつては交換設備が有った

   

    さて徳満駅ではこじんまりした駅舎が遠来の客を迎えてくれた。室内は清掃が行き届いており、虫等に悩まされる心配がなく有難い。2000年頃までは木造の(有人駅時代の)駅舎が残っていたが、今はこの駅舎で十分足りる利用状況なのだろう。おそらく僅かの利用客は家族にクルマで駅まで送迎してもらって列車を利用していると思われる。なぜなら近在の数軒はすべて廃屋で、人が住んでいる気配が全く無かったからである。

 

運賃表と時刻表、列車本数が少ない

 

    右上写真はややわかりづらいが当駅の時刻表があり、下り稚内方面が3本/上り名寄・音威子府方面が4本の列車設定である。これでは乗りたい時に列車は有るかな?と調べたときに殆どの利用客が悲観的になることは明白である。むしろ殆ど見放されているのでは・・・

    さて日は完全に暮れて18:49発の稚内発音威子府行きがやってきた。この列車に乗る人ゼロ、列車から降りる人ゼロである。それでも列車は儀式の如く扉の開閉を行い、去って行った。時間帯から乗車客ゼロは予想できたが、稚内からの帰宅(降車)客もゼロとあっては厳しい表現だがやはり「見放されている」のでは、との思いを深めた。

  

音威子府行きが到着、扉が開く

 

    やがて本日3本目の稚内行き(19:04発)がやってきた。3本目・すなわち下りの終列車である。乗ってみると夏季の若干の旅行客がいるのみで、これでは普通列車の設定すらかなりの不採算なのではと思ってしまった。

    JR北海道は平成28年に自社単独では維持困難な線区を表明している。この宗谷本線も名が上がっているが、特に名寄〜稚内は旭川〜名寄よりも採算面で厳しい現実が突きつけられている。今回の旅行では徳満駅の他に勇知駅・下沼駅・上幌延駅も利用してみたが現状は同様で、非常に残念だが駅のみならず線区自体が「Xデー」待ちとの危機感を強めずにはいられなかった。

  

稚内方面の終列車がやってきた