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(update 2013/10/16)

 

さぁ今のうちに訪れよう、豊ヶ岡駅

 

  (来訪日:平成25年8月27日)

   

    このところ秘境駅の来訪記が続いているが、今回はJR北海道札沼線(学園都市線)の豊ヶ岡駅を取り上げてみよう。札沼線については近年の沿線人口増による部分電化の話題がネットや鉄道誌で取り上げられているが、非電化区間の北海道医療大学〜新十津川については全くの閑散路線として残っているのが現状で、紹介する豊ヶ岡もそんななかにある。

    ところで標題を見ると当駅が廃止?と思われるかもしれないが、今のところ具体的な話はない。しかし末端区間である閑散線区については江差線の例もあり、線区そのものが無くなる可能性が常につきまとう。その意味もあっての標題と思ってもらえれば幸いである。

    札幌から比較的近い豊ヶ岡駅、それでも秘境駅

 

   さて行程は札幌6:20−6:58石狩当別(721系)から石狩当別7:02−7:42豊ヶ岡(キハ40)という乗り継ぎにした。キハ40は単行で石狩当別出発時には10数名の乗客、しかし次の北海道医療大学で殆どが降りてしまった。そして豊ヶ岡が近づくと車窓は田園風景から一転して林に包まれる車窓となる。

   夏の終わりの朝、単線の駅ホームに降り立ったのは自分だけだった。

 

 

豊ヶ岡駅のホームが見えてきた(キハ40先頭から撮影)

   

   豊ヶ岡の駅全景はこんな感じである。付近に人家は無く、車道からも離れているため静かなたたずまいである。誰もいないことでもあり、しばらく写真撮影に興じる。

   それにしても札沼線(非電化区間)の車窓は先述のようにその大部分が広々とした田園風景なのだが、ホントにこの一帯だけが木々に囲まれている。また線区全体が概ね国道275号線に沿っているもののこの豊ヶ岡付近だけは1キロ以上離れており、この駅の秘境度を高める要因になっているのかも知れない。

 

 

林の中の豊ヶ岡駅ホーム

 

   右写真はホーム前の無人踏切付近のレールだが、枕木は痛みバラストは丸い小石で土砂も混入している。これだけを見れば殆ど使われなくなった引込線レベルの仕様だが、れっきとした営業路線である。

   JR北海道についてはこのところ保線の精度を含めその管理体制がいろいろ取り沙汰されているが、まぁ札沼線のこの区間はこんなもので「可」なのだろう。長大編成のコンテナ貨物がドドドと突っ走るならともかく、キハ40の単行がコトッコトだからね。ただ鉄道ファンの目から客観的に見て、今時このレールでは「廃止」の2文字が浮かんでもおかしくないレベルだとは言っておく。   

  

このまま朽ち果ててしまいそうな枕木とバラスト

 

   この駅には待合室としてホーム近くに小屋が建てられているのでちょっと入ってみた。中には当駅付近で撮影したキハ40のパネルが数点掲示され、旅行者用の来訪ノートも置かれている。こうしてみると豊ヶ岡が秘境駅来訪のファンから相応の地位(?)を得ていることはわかる。それはもちろん良いことなのだが、一般の利用客は果たしてどれだけいるのだろう?

 

 

  

終端の新十津川まで行く列車は3本だけ

    結局列車を降り立ってから誰に会うことも無く時間は過ぎ、次の乗車列車(隣の札比内8:51発・新十津川行き)に乗るため豊ヶ岡をあとにした。

   なお札比内まで歩いたのは乗降駅に変化をつけるためであったが、こちら札比内は一応集落がある。簡易委託駅のため駅前の薬局で切符が買え、隣の豊ヶ岡までの85mm磁気化券もあったので記念に1枚買った。もっともこの「札比内→豊ヶ岡」乗車券は地元利用客よりも鉄道ファン用に用意されているのでは?と思ったりもした。

   札沼線の非電化区間、果たして永らえること有りや否や?

  

緑に包まれる豊ヶ岡駅ホーム(左)と待合室の建物(右)