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update 2016/12/04)

新装なった段葛を歩く

 
 

 

   今春、鶴岡八幡宮の段葛が改装されて新たな姿を現した。当方もなかなか来訪の機会がなかったが、先日ようやく叶ったので早速紹介してみたい。

   「段葛(だんかずら)」は鶴岡八幡宮への参道で、現在は若宮大路の二ノ鳥居から三ノ鳥居までをつないでいる。周囲よりも一段高く、春には両側の桜がきれいなことでもよく知られている。

    そんな段葛も近年は改修の必要性が生じて昨秋から工事に入り、しばらく工事用の仮囲いに覆われていたが、改修が終わり再び歩けるようになったわけである。

 


さぁ、新しい段葛を歩いてみよう!

 

  

    それでは二ノ鳥居からスタートしてみよう。早速気が付いたのは足元のアスファルト、以前は土に砂利を敷いた参道であったが大きく変化している。これは吸水性・耐久性に優れた浸透性土系舗装を採用したためで、今後のことを考えれば妥当な選択だったのかも知れない。ただ以前を知る者にとっては砂利をザッザッと踏みしめながら行き交う参詣者のイメージが強かっただけに少々拍子抜けの感も否めない。

  

 

 


舗装面に近づいて撮影

 

  

    もちろん段葛特有の構造もちゃんと残されており、例えば二ノ鳥居付近では4メートル幅だった道幅が徐々に狭まって三ノ鳥居付近では3メートル程度になる点などはそのままである。文献等の確証はないが、これは鎌倉幕府が遠近法を用いて海岸方向から眺めた際に長く見えるようにする意図があったとされている。 

    また桜並木(生育上の観点から4分の3程度の本数に変更)も残されているので、こちらも来春以降は来訪者を楽しませてくれることだろう。

  


二の鳥居付近はこの道幅

 

  

    文化財、特に野外の文化財を全く同じ状態で維持・存続することは至難とも言え、今回の改修内容にも苦心した点が有ったかも知れない。今後も永く市民から、観光客から愛される段葛であってほしい。

 

 

 

 

  

三の鳥居が近づくとこの道幅

 

    

     <おまけ>

    段葛を通り抜け鶴岡八幡宮の境内へ。4年前に当HPにUPした大銀杏はその後すくすくと伸びている。さらに数年後どのようになっているか、また機会を見て写真をUPしてみたい。

  

     未来へ!大銀杏