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龍口寺(りゅうこうじ)の境内を歩く

  片瀬の日蓮宗大本山龍口寺である。行政上は藤沢市であるが、鎌倉・江ノ島観光のルートとして取り上げられることが多い。

  かつて日蓮が鎌倉幕府に捕えられ、この地で処刑されようとしたとき、光る物が突然上空に現れ、その眩しさに幕府の役人の目はくらみ刀は折れ、処刑が中止されたという伝説の地である。(スゴい伝説である…)

  山門をくぐると右の写真のように本堂と五重塔がバランス良く境内に建っている。五重塔は明治43年の建立で比較的新しいが、鎌倉地方に唯一の五重塔として貴重である。

龍口寺の本堂と五重塔

  

  さて、境内左手には展望台のような高台があり、登ると写真の白い塔が建っている。釈迦の骨(仏舎利)を祭る仏舎利塔である。

  今から24年前、祖父母の家(西鎌倉)へ当時中学生の自分が遊びに行った折、祖父や親戚の子どもたちと一緒に散策に出かけ、この高台を訪れたことが思い出される。

  その時に祖父から「仏舎利塔は釈迦の骨を祭る塔だ」と教わった。中学2年生の自分が「人間の骨の数には限りがあるから、インドや中国や日本その他で次々仏舎利塔を建てたら、釈迦の骨をすり潰して粉にでもしないと足りないでしょう?」と質問したら、祖父は笑っていた…。  

  まあ、すべての仏舎利塔の中に本物の釈迦の骨があるのか否か、それはどちらでも良い。実際のところは知らない。しかし仏舎利と聞くと、あの時の場面が今も思い出されるのである。

久しぶりに眺めた仏舎利塔