桃太郎(1)



昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんはたくさんおりましたが、
桃太郎という桃から生まれた男の子は一人しかいませんでした。
この話はその桃太郎の話です。

とある村のとある場所に、吾平というおじいさんと
うめというおばあさんが住んでいました。
吾平は山へ芝刈りにうめは川に洗濯に行きました。
うめが洗濯をしていると川上から大きな桃が
ドンブラコ テンプラコ
と流れてきました。
それを見たうめはビックリしてオナラを一発ブゥ。
山にいた吾平は芝を刈らずにクサかった。

ま、冗談はさておき。
うめは大きな桃を抱えて家に帰りました。
途中、腰がゴキッと鳴ってぎっくり腰になりかけたのは秘密。
桃を置いて吾平が帰って来るのを待つうめ。
芝を刈り終わった吾平が帰って来たのはそれからしばらくしてからでした。

「ばあさん、今帰ったよ」
「おじいさん、川でこんなものを拾いましたよ」
うめはそう言ってお爺さんに大きな桃を見せました。
大きな桃を見た吾平は驚きのあまりオナラを……
えっ? そのギャグはもういい? 失礼しました。

そんなこんなで、吾平は桃を切ることにしました。
「ばあさんや、どれくらい切ればいいかの」
「年寄り二人じゃ、それほど食えんしのぉ」
どれくらいを切っておこうか悩む吾平とうめ。
すると桃がプルプルと動きました。
「お、おじいさん!」
「ば、ばあさん!」
驚いて腰を抜かす二人の前で桃が激しく動き、パカッと真っ二つに割れました。
すると中からかわいらしい男の子が現れました。
「おぎゃあ! おぎゃあ!」
それはもう五月蝿いくらいもとい、元気のいい男の子です。
吾平とうめは子供がいないのでこの男の子を育てることにしました。

そうそう、桃はどうしたかというと隣近所に分けてあげたそうです。




目次   続く