成瀬映画に登場する風景

NEW 2021.6.13 記述追加

「成瀬巳喜男の設計」(中古智/蓮實重彦著 筑摩書房)の『めし』について(P133-P160)
には、下記の大阪の長屋の外観のオープンセットやスタジオでの室内セットを作る参考に、
大阪のロケハンに行き、現地の五、六軒の長屋を見学して・・・とある。

天神の森付近で見学したと思われる場所を、川島映画の大阪のロケ地でご教示していただいたK氏から
教えていただいた。K氏からは最初にこの場所に関するメールを送っていただいた。K氏に感謝したい。
K氏からメールに添付されたグーグル地図を参照。
確かに映画に登場する長屋のオープンセットとよく似ている。
ここは中古智美術監督が見学した場所の一つであると思われる。

下記はK氏からのメール文書の一部をコピペ引用させていただいた。
映画に登場するオーブンセットの井戸、階段、祠との関連にも言及されている。

映画中の7分過ぎに住居表示が出てまいります。
「天神ノ森2丁目62」とあります。
これを中ノ島図書館の古い「住宅地図」で確認して、現在
の地名地番に置き換えますと「2丁目6−5」になります。

2分20秒に階段下からの映像です。
右側に長屋があります、左側は建て替わったようです。
正面の階段はなく段差になっています。もとから段差だったか
はよくわかりません。段差の左にスロープがあります。
映画では段差の上から右側に道路があるようにみえます。
確かに当時は道路の奥に会社寮があったようです。その後に
道路から住宅になったようです。これも住宅地図で確認。
2分30秒は逆に階段上からです。右にわずかながら「祠」
が映り込んでいます。
最後に段差を横から見ると「井戸跡」「祠」が見えます。


NEW 2018.4.3 画面写真追加

『めし』(1951年)@

冒頭、三千代(原節子)のナレーションの際にちらっと登場する「天神森」と阪堺線「天神ノ森」駅。
駅は途中で、里子(島崎雪子)と大泉あきらが繁華街に出かける際にも出てきます。
今でも1両の電車が走っていて私も乗りました。
「成瀬巳喜男の設計」(中古智/蓮實重彦著 筑摩書房)のP135に<原作にある天下茶屋の天神の森付近ということで>と美術監督の中古智氏が述べています。
三千代のナレーションにあるように大阪の南に位置しています。ここのロケーションはまず間違いないと思います。
駅の様子も当時とそれほど変化してないようです。
ただし、あの長屋は、上記の本で解明されているように、ロケーションではなく世田谷に作ったオープンセットとのことです。詳細は上記本を参照




 
  
 

一番下の写真の長屋(上原謙、原節子が住んでいる映画の主舞台)は、大阪ではなく東京・世田谷に建てたオープン(屋外)セットとのこと


 

    


初之輔(上原謙)が勤めている証券会社のある大阪の「北浜」。東京でいえば「兜町」のような地域


 


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