成瀬映画に登場する風景


NEW 2018.4.3 画面写真追加

『秀子の車掌さん』(1941年) 2002.3.12

昭和16年の高峰秀子主演の『秀子の車掌さん』は、甲府近辺のバス会社を舞台にした物語で原作は井伏鱒二の「おこまさん」。
ほのぼのとしたとてもいい作品です。
山梨の温泉に旅行したついでにロケーション風景を撮影してきました。
なにせ約60年前の風景なのですが、この作品には甲州街道や青梅街道、旧跡の「差し出の磯」といった地名が出てきて、それも参考にしました。


ラストに出てくる山梨県・山梨市の笛吹川の風景。
バス車掌のおこまさん(高峰秀子)が、車中から名所ガイドをするシーンに登場(と思われる)。
約60年前の風景とあまり変わっていない。
前方の丘陵地帯が、映画の中で名所案内の台詞に出てくる「差し出の磯」。
古今和歌集に詠まれている。

    


上記のシーンでバスが渡る(と思われる)、笛吹川にかかる「万力大橋」。
欄干の感じもよく似ている。上記風景はこの橋の左(上流側)を撮影したもの。

        


バス運転手の園田(藤原鶏太)とおこま(高峰秀子)が名所ガイドを書いてくれた小説家の井川(夏川大二郎)の東京行きの列車を見送るシーンに登場する(と思われる)踏切。
この踏切は、山梨県・甲府付近のJR「中央本線」の「酒折駅」と「石和温泉駅」の間にある。手前右側が東京方面。
映画ではこの手前から2人が列車を見送る。
「天気待ち 監督・黒澤明とともに」(野上照代著、文藝春秋刊)には野上氏と井伏鱒二との交友の回想が書かれている。
その中のP239に「ロケ場所は山梨県酒折で」と記述されていたのでJR「酒折駅」付近の踏切を探してみた。
ここを発見するのは結構大変だった。

         

          


写真ページへ戻る

トップページへ戻る