成瀬映画に登場する風景

NEW 2018.4.6 画面写真追加


『放浪記』(1962年) A

映画の前半、ふみ子(高峰秀子)と伊達春彦(仲谷昇)の散策シーンに登場する東京・世田谷区奥沢にある「浄真寺(九品仏=くほんぶつ)」。
伊達がカフェで知り合ったばかりのふみ子を自分達の同人雑誌へ誘うとともに、ふみ子を気障っぽく口説くシーン。
以下、このシーンで伊達がふみ子に向かって言う台詞!!
「ねぇ、僕達はこのけわしい世の中の片隅で、二人だけの幸福を願うということは、不可能なことだろうか」
仲谷昇が真面目な顔で言うので、映画館では笑いが起きたような記憶がある。


シーンの冒頭では、この石柱(お寺の解説板によると天保年間の「阿育(あしょか)王塔」)とお堂に向かって手前から二人で歩いてくる。
映画の中でも、木漏れ日が美しい。

 


お堂の左側の場所で、二人が会話をする。
仲谷昇が二歩先に進み立ち止まり、振り返って高峰秀子へ話しかける。
高峰秀子は会話をしながら、仲谷昇の方にゆっくりと歩いてくる という典型的な成瀬演出が見られる。

 


二人が手前から奥にゆっくりと歩いていく。このシーンのラストショットはこんなアングル。

 


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