成瀬映画に登場する風景

NEW 2018.4.2 画面写真追加

『鶴八鶴次郎』(1938年) A 2007.11.10

鶴八(山田五十鈴)と鶴次郎(長谷川一夫)が旅行に行く温泉場=箱根。


鶴八と鶴次郎が散策して、鶴次郎が鶴八に愛を告白する重要なシーンに登場する箱根・芦ノ湖畔の元箱根にある石灯篭や石仏の並んだ「賽の河原」。
石塔や石仏の形や位置は変化しているようだが、背景の山の形と湖の感じからしてここに間違いないと思われる。
映画の中に登場する竹の椅子(この写真の手前)のあたりは、今は車や観光バスの走る道路のあたりか。
場所は遊覧船の「元箱根港」のすぐ横。

  


 


「賽の河原」の逆アングル。映画では森の中を二人が歩いてくる。映画の中では鬱蒼とした森。
霧のかかった森と夕暮れの光の湖の背景のコントラスト。
鶴次郎が湖の方に歩いていき振り返るショットや二人が竹の椅子に座ったり、立ち上がったりする動きの流れ。
夕暮れの順光と逆光によって、二人の顔や着物にかかる光と影の表現など、
私が成瀬映画の屋外シーンで最も素晴らしい映像美と思うのがこのシーンである。

 

 


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