番外編(川島雄三作品) NEW 2015.7.4

『箱根山』 川島雄三監督
1962 東宝映画

NEW 2018.4.10 画面写真とコメント追加


映画(もちろん獅子文六の原作でも)では「芦刈温泉」ですが、実際は箱根の「芦之(の)湯温泉」です。
映画・原作の老舗旅館「玉屋」(東山千榮子、藤原釜足、加山雄三)のモデルは実際にある「松坂屋本店」、
「若松屋」(佐野周二、三宅邦子、星由里子)のモデルは「きのくにや旅館」です。

先日この映画の助監督をされた小谷承靖監督に直接話を聴く機会がありましたが、
実際に「芦之湯温泉」でロケーションしたとのことでした。
またスタッフ、キャストとも「小涌園」に宿泊したそうです。
実はその時小谷監督から「一度ロケ地の芦之湯温泉に行ってきたら」と言われて、天気のいい日曜日に日帰りで行ってきたのです。

『箱根山』は2013年6月にスカパー日本映画専門チャンネルの「蔵出し名画座」にてハイビジョン映像で放送されて
いたのでその時に観たり録画した方もいるでしょう。私もその一人です。
面白さでは川島映画の中で『人も歩けば』(1960 東京映画)と双璧の傑作です。
若大将シリーズとは一味違う加山雄三、星由里子コンビの演技が魅力的です。
脇を固める俳優陣も名優揃いです。残念ながら未DVD化です。


「芦の湯温泉」入口。前の道は「東海道(国道1号線)」。(2018.4.10)正月の箱根駅伝でここを走る。

             

冒頭に登場する「玉屋(松坂屋本店)前のバス停


 


「玉屋」のモデル「松坂屋本店」前の道。
映画では男の子と女の子が言い争うシーンに登場。雰囲気は映画当時そのまま。

             
                 

「松坂屋本店」。映画では大物政治家・大原泰山(森繁久彌)が急遽宿泊することとなり従業員が出迎えるシーンに登場。
形状はほとんど変わらず。プライバシーのため宿泊客車はコラージュ
                          

    


「若松屋」のモデルとなった「きのくにや旅館」と玄関ロビー。(2018.4.10)映画の中に外観の映像は無かったように思われる。

    

 


映画の中で「玉屋」の従業員である乙夫(加山雄三)が、「若松屋」の一人娘・明日子(星由里子)に英語のレッスンをする
シーンに登場する「熊野神社」。「松坂屋本店」のすぐ脇の高台にある。映画当時とほとんど変わっていない。

    

 


上記と同じ「熊野神社」。加山雄三、星由里子の二人は石段のあたりに座って英語のレッスンをする。

 

石段に点在する石仏の一つ。右の写真は2001年、東京・千石「三百人劇場」での川島雄三特集のチラシの表紙。
二人の演技を見つめる川島雄三監督の前にある石仏ではないかと!


映画にも登場する郵便局。加山雄三が手紙を出すシーンなど。

  


学校帰りのセーラー服の星由里子が友達とバスに乗ろうと走るシーンに登場する「小涌谷」駅前。
バスに乗り遅れた星のところに加山が旅館の車で通りかかり「車で送りましょうか」と言うが、星は「結構」と拒否する。
左の「小涌谷温泉」の白いモニュメントは映画にも映っている。右の急な坂が「芦之湯」方面。

   

 


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