番外編(川島雄三作品) NEW2016.9.7
『赤坂の姉妹より 夜の肌』A 川島雄三監督
1960年 東京映画


映画の冒頭、信州から上京した三女・冬子(川口知子)が地下鉄「国会議事堂前」駅の地上出口から出てくる。
すぐ横の国会議事堂の通用門で持参した花とリンゴを置くが、
警備の警察官に「南通用門なら向こうだよ。あの事件はここじゃなかったよ」と声をかけられる


地下鉄丸ノ内線「国会議事堂前」1番出口。エスカレーター、階段のレイアウトなど1960年の撮影当時とほとんど変っていない。

   


通用門の斜め前の「首相官邸」から1台の黒塗りの車が出てくる。車には与党の大物国会議員の植谷(伊藤雄之助)が乗っている。
その車を追いかける7−8台の新聞記者の車。


現在の首相官邸から外堀通りへ下る坂道。
当時の地図を見ると、首相官邸の位置も少しレイアウトが変化しており、また現在は無い道が当時の首相官邸の横にあるのだが、
映画で黒塗りの車のカーチェイスの場面はおそらくこの道ではないかと思われる。
交通量が少ない時代だから出来たのだろう。現在ではまず撮影許可が下りないのでは。
赤坂を舞台に三姉妹を描いた文芸・風俗映画の冒頭に、迫力のあるカーチェイスシーンを持ってくるところがいかにも川島監督らしい遊び心だ。




上記坂道を下って合流する「外堀通り」。写真の左側が「溜池」「山王下」(本作の舞台となるバーがある場所)。
映画撮影時は1964年のオリンピック前なので、首都高速もまだ出来ていない。




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