成瀬映画に登場する風景
『コタンの口笛』(1959年) ⑥ NEW 2019.7.21
北海道 白老郡白老町(しらおいちょう)
中学生のユタカ(久保賢)が従兄の幸次(大塚国夫)と会話しながら歩く海岸。
映画では幸次の家(父親は畑中金二=山茶花究、ユタカの父親の畑中イヨン=森雅之の弟)が近くにあるという設定。
北海道のどこかの海岸だとは思っていたが、ロケ場所が判明した。
本作のメインのロケ場所である「千歳市」や「支笏湖」にも近い、北海道の白老郡白老町の海岸。
きっかけは、管理者が保有している、本作をはじめ数多くの成瀬映画の美術監督の中古智氏の
ロケハン写真アルバム。スクラップブックにセロテープで写真が多数貼られている。
これは中古家の方から管理者が譲り受けたものだが、本作のロケーション場所、撮影所でのセット建築
の参考用に撮られた60年前の北海道の建物や部屋など。
そのアルバムの中に、鉛筆で「白老」と書かれていたのを見つけた。中古智ご本人の文字だろう。
ロケハン写真の本HPへの掲載は、中古家の方に了解をいただいている。
成瀬映画では『女が階段を上る時』「娘・妻・母』『乱れる』のロケハン写真アルバム
も保有しているのでまた写真をチョイスして本HPに掲載したい。
現在の白老町のグーグル写真と画面写真。さすがに海岸の細かい場所の特定は不可能。
国道36号線と室蘭本線が通る町。
中古智氏ロケハン写真アルバムにあった写真の一部。
画面写真右側の後方に映っている家並みとほぼ同じものが撮影されている。
ここはスタジオでのセット建築用ではなく、屋外のロケーション候補地の参考用に撮られたのだろう。
60年前の撮影写真なので、モノクロというよりセピア色。