番外編 2009.12.12
『東京暮色』 小津安二郎監督
1957年 松竹
私が小津の最高傑作と評価している「東京暮色」。
映画の前半で、マージャン屋の女主人で実の母親の喜久子(山田五十鈴)に「今、お住まい、どちら」と聞かれて、明子(有馬稲子)が「雑司が谷の奥」と答える。
映画の中に何度も登場する坂道の家のロケーションと思われる場所を探して東京・豊島区「雑司が谷」で撮影しました。
写真だとあまり勾配がはっきりしないが、れっきとした坂です。
映画の中での杉山家は写真の右あたりか。
下の写真は坂を下った正面の風景。手前の家の屋根は映画にも映っていると思われます。
しかし、「東京暮色」が何故一般的に失敗作と言われるのかまったく理由がわかりません。
冒頭の飲み屋のシーンから小津の世界に引き込まれるし、ラスト前の上野駅のシーンも素晴らしい!
私は小津映画の原節子の演技はあまり好きじゃない(成瀬映画の原節子のほうが圧倒的に好きです)のですが、この作品の原節子はいいなあ。