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…あとがき…

「玻璃の花籠・新章〜藤華」

 

 ほんのりと番外編をお届けして、ひとまず幕を閉じたいと思います。今回も最後までのお付き合い、本当にありがとうございました。

『蝶のうたた寝』で雪茜が「お祖父様にそっくり」と言っていた末の妹が今回の藤華になります。まあ、人間の顔なんて、成長とともに変化してきますからね……今は華やかではないにせよ、素敵なお姫様になっているはず。当初はもっともっとあっさりとしたお話になる予定でしたので、彼女のこともあまり掘り下げて書けなかったのが心残りです。
 途中「どうして鷲蘭がそこまで執着するのか分からない、藤華ってそんなに魅力的なの?」といった内容のコメントがちらちらと届いて、やっぱ説明不足だったなと反省しました。何を表に出して、何を隠せばいいのか。その折り合いが毎度のことながら難しいです。どうしても丁寧に隅々まで解説できなくて、「あとはご想像にお任せします」になっちゃいますから、読者の皆様にはいつもご迷惑をおかけします。
 何もかもをきっちりと決めてしまうよりも、読み手の方の受け取り方で自由に変化していくような作品が理想ですが、そうするためにはまだまだ修行が必要になりそうです。

 執筆中は何度も何度も行き詰まって、そのたびに「藤華になろう、藤華だったらどうするだろう」と自分に問いかけていました。余裕をもって書き上げたものを何度も何度も手直しして、それでもUPするまでは不安で仕方なくて。今となって考えれば何をそんなに気負っていたんだろうと思いますが、きっと私の手には余るような内容だったのでしょう。今回ばかりは「きちんとピリオドを打った作品じゃないと連載できない」と仰る作家さんの気持ちが分かった気がしました。

 そして、本編の最終話・10話目を加筆修正した折りには、大変なご迷惑とご心配をおかけして本当に申し訳ございませんでした。脱稿の日付を見て頂ければお分かりの通り、かなり早い頃に書き上げてはいたんです。でもやはり、UPして初めて見えてくるものもあって……もう少し頑張ってみたいなと諦めきれなくなってしまいました。
 もちろん「前のバージョンの方が良かった」との声もいただいておりますし、それはそれで仕方ないと思います。藤華はともかく、鷲蘭の性格がだいぶ変わりましたから。蛇足とは思いつつ、こちらに以前のものを置いておきますので、お暇な方は比べてみてくださいね。

 今回ばかりは途中で投げ出してしまうこともちらっと考えた訳ですが、そのたびに藤華や鷲蘭に寄せられる応援メッセージに励まされ、どうにか最後まで書ききることが出来ました。いつものことですが、私ひとりの力では、到底たどり着けるゴールではありません。伴走してくださる方の存在に支えられてどうにかこうにか。至らないばかりの作者ですが、そんな私の生み出したキャラでも大切にしていただけて、本当に嬉しい限りです。お世話になります。

 BBSなどで何度もお知らせしている通り、今年は海底系メインの一年になりそうな気がします。次の定期更新もまた海底国のお話になりますので、どうぞお待ちくださいませ。
「本家☆おひさま」の初期作品についても目に余るところから順次訂正を入れていきたいなと考え中。あまり変化ないと自分では思っていたのですが、読み返してみると気になるところがいっぱいあります。情けない限りですが、大切なお話たちですので少しでも状態よく楽しんで頂けるようにメンテナンスもしっかりとしたいと思います。

 サイトも長く続けてくると、色々と変化が出てきますね。連載中にこちらのサイトも3周年を迎えましたが、こんなに続くこと自体がびっくりだったりします。少しでも長くサイトを運営していけるように、これからも頑張りたいです。

 それでは、次回作でお目にかかれることを楽しみに。最後まで本当にありがとうございました。

 

2005年3月11日
『Powder Moon』管理人・Kara

 

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