あとがき


 こんにちは、広瀬もりのです。今回も最後までのお付き合い、ありがとうございました。このお話はリレー小説が仕上がってすぐに書き始めました。でも途中で他の連載が入ってしまいまして、あれよあれよと言う間に…5カ月? 内容そのものは固まっているのにこんなに時間がかかるなんて、自分でも不思議な気がします。
 前作で、立夏さんが執筆した箇所で一部「ここまでは言わなくてもいいんじゃないかな?」と削ってしまったエピソードがありました。それが今回の真帆ママの真帆パパとの出逢い。本編の中では、真帆ママの裏切り(?)が大きく影を落としていて、ちょっと彼女、可哀想ですよね。立夏さんはその部分をきちんと埋めてくださったんです。ただ、あまりにも脇役のお話になってしまいますし、出来れば主人公に視点を置きたかったので「ごめんなさい」してしまいました。
 でも、それと同時に「絶対に番外編で書いてみよう」と思ってました。

 本編を元に計算したら、真帆ママは真帆のお兄ちゃんを高校卒業の翌年の3月までに産んでなければいけないことになり…いくら何でも、就職してすぐに新しい恋? あんたそんなに腰が軽くていいの? とか思っちゃいまして…ああ、どうしてお兄ちゃんなんて作ったのかしら…私はっ! と、混乱の極みでお話をでっち上げました。

 お話の進行上、どうしても「裏切り」になってしまいますし、誰もが傷つかずに皆幸せになれるわけではないのです。でもギリギリの葛藤の中で、ひとつの幸せを掴み取る、その過程が少しでもお伝えできたらなと思いました。

 リレー小説を進行して行くときにも思ったのですが、立夏さんは本当に優しい方だと思います。キャラをとても大切にすると言うのかな? もしも厳しい選択をしてしまったとしても、ちゃんと理由を提示してあげる。「救い」の要素を取り入れてくれるんですよね。私はどうしても思いつきでぱっぱとお話を動かしてしまうので、いつもキャラをないがしろにしている気が…。
 ただ読者でいるときには見えて来なかった部分が見えてくる。やはりこの企画は大きな収穫があった気がします。

「風の墓標」からの期間、お互いに長編の異色小説を完結させて(毛色は全然違いますが…長いのは同じですね…)、さらに新たな作品に取り組んでおります。こういう頑張っちゃう執筆姿勢が似てるんだなと不思議な気分。別に申し合わせた訳でもないんですが。

 タイトル。「はじまり」を意識して。『風の○○』にしようというのは決まってたので、色々な言葉を順に当てはめていって、最終候補です。ロゴデザインは本編を真似てみました。ボタンアイコンも全部色調補正で…もちろん、頁のレイアウトもそのままです。ああ、楽だった。

 ではでは。リレー小説に続いてご覧下さった皆様、そして原案を使うことを承諾してくださり、その上、最初の読者様になって下さった立夏さんに精一杯のありがとうを込めて、結びたいと思います。

 また、新しい作品でお目にかかれることを楽しみにしております。ありがとうございました。

2002年11月23日

『夏色図鑑』管理人・広瀬もりの

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