Ｔop＞Novel＞声が似てる・扉＞声が似てる・あとがき

…と、言うことです。どうして私がこの話を書きたかったのか、書き上げたのかここまで読んでいただけたら分かると思います。「さかなシリーズ」の花菜美が、どうして言い寄る男になびかなかったのか、みどりちゃんと出逢う前に何があったのか…それを書いてみました。
でもこのラストのために凄く不自然な話でした。大体、主人公に姓がない！！　だって「鈴木さん」「佐藤さん」ならとにかく、花菜美は「水橋」という変わった姓なので、コレを出したら一発でばれちゃう。だから先輩も先生も「カナ」と呼ぶという…苦しい。話の「痛さ」もさることながら、この困った事実にどうしようかと思いました。

同時に「さかなシリーズ」を未読の方に対しては凄まじいネタバレ……になってしまいますね。まあ、どちらかというと、「さかな」をこの作品の後に読まれた方が違和感ないと思いますので、それもアリと言うことで（スミマセン）。

内容は…かなり今までの作品とは毛色が違ったと思います。きれいにやさしい文章にしようと心がけましたが、なにしろこの話ではあまりに痛くて。もしも、読んで下さったあなたが「カナ」だったとしたら…どうしましたか？　先輩と一緒に生きて行けたでしょうか？　…私は無理でした。

これで、とうとう、新しいお話に入れます。どうしてもコレを書いてからすっきりと行きたかったんです。さかなもあともう少しでめどがつきます。もうしばらく、お付き合い頂けると幸いです。

２００２年４月２２日　『夏色図鑑（旧・おひさま☆パフェ）』管理人・広瀬もりの