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夏ばて防止のために : 冷房病・栄養バランスに注意暑い夏です。 体力的にも疲労しやすい季節です。●夏はどうして体調をくずしやすいのでしょうか。 夏、暑くなると、皮膚の血管は拡張して血液がからだの表面に集まり、汗を出して体温の調節がおこなわれます。 この場合、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ、熱が体内にこもって疲れやすくなります。 日本の夏は高温、多湿なので夏を乗り切るのに体力のない人はつらいわけです。
「夏ばて」 は、全身のだるさや疲れやすさ、食欲不振、下痢、体重減少、手足のほてり、寝汗や不眠などの症状が出てくる状態です。高温多湿な日本の夏は、汗をかくことが多く水分だけでなく、体の塩分やビタミンなども失われます。いわゆる脱水状態となり、胃腸の機能も低下して消化液の分泌が減って食欲もなくなってきます。 その上、のどが渇いたからと言って水や清涼飲料水をたくさん飲むと、消化液が薄まって消化不良を起こします。 また清涼飲料水にはかなりの糖分が含まれていますので、本来の食事の時間におなかがすかなくなって、大事なバランスのとれた食事が取れなくなる原因にもなります。
この他、長時間クーラーの効いたところにいたり、暑い外や冷房の効いた涼しい部屋を行き来することによって温度中枢がおかしくなって、自律神経の異常を引き起こす「冷房病」もこの時期の大きな問題です。 「冷房病」での症状は、体のだるさや下痢などに加えて、風邪症状、下半身の冷え、神経痛、肩腰の関節痛、女性での生理不順などが上げられます。
夏の疲れを回復させるには 「夏ばて」「冷房病」にならない秘訣を挙げてみましょう。 @ 規則正しい生活を心がけましょう。:夏は体の代謝機能が亢進するために、エネルギーを使う量が多くなります。また、夏休みなどで不2 規則な生活になりがちです。リズムある規則正しい生活と、なにごとも無理をせずにペースダウンを心がけましょう。 A 栄養バランスを考えよう。:朝昼夕の三度の規則正しい食事を取りましょう。夏は、朝を抜いたり、昼にざるそばなどで簡単に済ませてしまいがちです。良質のタンパク質や脂肪を、また疲労回復に有効なビタミンB1類を意識して取りましょう。牛乳 卵、乳製品、豆腐、豆類、脂肪分の少ない肉や魚が適当です。 B 水分の取り方に注意。:冷たいもの、反対に暑すぎるもの、過剰な糖分、炭酸などはいずれも胃腸に良くありません。出来るだけ冷たいものはコップいっぱい程度にして、その他は生ぬるい水や麦茶を少量取ると水分の取りすぎ防止に効果的です。 C十分な睡眠を取りましょう。:クーラーや扇風機のタイマーをかけて、うまく室温をコントロールして早めに就寝しましょう。散歩やストレッチ体操などの適度な運動や体操は、体を適度に疲れさせ睡眠しやすくさせます。
D心と体のリラックス。:のんびりとお風呂に少し長めに入ったり、自分の気に入っている音楽を聞くことは心身のリラックスにつながります。昼寝も効果的です。 E 住まいの涼しさ。:できるだけ自然の風を通しましょう。すだれやゴザ、風鈴などは、涼しさを演出します。湿度が高いと「不快指 数」 は上昇 します。除湿を効果的に行うことも体感温度を適度に保つことになります。 F冷房病を予防しましょう。:外気温との差が5度C以上になると自律神経のバランスが崩れてくると言われています。冷房中の室温は外気温より5〜6度Cくらいにしましょう。仕事で一日中室内にいる方や女性で冷え性の方などは自衛手段も大切です。冷気の直接あたるところは避け、肩や下半身が冷えないように適当な衣類で調節すると良いでしょう。また、戸外に出る時などは日陰で少し体をならし、夜寝る前の入浴では体を良く温めて血行を良くしておきましょう。 G 夏ばてと思っていたら。:涼しくなっても症状が長引く場合は、他の病気もありますからご相談ください。
では頑張って夏を乗り切りましょう。 2005年5月10日 小田切医院 小田切弘人
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