医療法人弘生会小田切医院

ホーム 診療案内 お知らせ 検査・手術  健康のために一言 痔のお話 発芽玄米は皆の健康の素 介護保険制度  ご意見・ご質問 当院の場所

 

急性感染性胃腸炎とノロウイルスNorovirus

ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種。カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染します。学校や養護施設では集団発症することもあり、世界各地で発生してい ます。

 

分類と歴史

1968年、米国オハイオ州ノーウォークで集団発生した胃腸炎の患者から発見されたウイルスが「ノーウォークウイルス」と名づけられました。この後、このノーウォークウイルスとよく似た形態のウイルスによる胃腸炎や食中毒の例が、世界各地で報告され、それぞれその土地の名前を冠して呼ばれました。これらは、そのウイルス粒子を電子顕微鏡下で観察したときの形から小型球形ウイルス (Small Round-Structured Virus, SRSV) とも呼ばれましたが、ウイルス粒子の表面に32個のコップ状のくぼみがあることから、ラテン語でコップを意味するcalixにちなみ、カリシウイルスという科に分類され ました。

1977年、札幌で幼児に集団発生した胃腸炎から、ノーウォークウイルスとよく似た小型球形ウイルスが病原体として発見され、サッポロウイルスと名付けられました。しかし、サッポロウイルスには電子顕微鏡下で「ダビデの星 (Star of David)」と形容される特徴的な構造が見られ、その他の特徴からも、カリシウイルスの中でもノーウォークウイルスとの違いが大きいものと考えられ、そこで、それまで見つかっていたものを「ノーウォーク様ウイルス (Norwalk-Like virus, NLV)」、ダビデの星型の構造を持つものを「サッポロ様ウイルス」という仮称を用いて分類するようになったのです。

2002年、国際ウイルス学会において、それまでノーウォーク様ウイルスと呼ばれていたものを「ノロウイルス属」、サッポロ様ウイルスと呼ばれたものを「サポウイルス属」という名称で呼ぶことが定められました。2005年現在、カリシウイルス科には4属のウイルスが含まれるが、そのうちヒトの疾患に関係するものは、このノロウイルス属とサポウイルス属の2属です。

bulletエンベロープを持つプラス鎖一本鎖RNAウイルス
bulletカリシウイルス科 (Caliciviridae)
bulletノロウイルス属 (Genus:Norovirus, "Norwolk-like virus")
bulletノーウォークウイルス (Species: Norwalk virus)
bulletサポウイルス属 (Genus: Sapovirus, "Sapporo-like virus")
bulletサッポロウイルス (Species: Sapporo virus)
ウイルスの特徴

ノロウイルスは、ウイルスの分類上、プラス鎖の一本鎖RNAウイルスに分類される、エンベロープを持たないウイルスである。ウイルス粒子は直径30-38 nmの正二十面体であり、ウイルスの中では小さい部類に属する。電子顕微鏡下では、32個のコップ状のくぼみのある球形の粒子として観察され、小型球形ウイルスという名称はこの形態的特徴に由来し、ウイルス学上での正式なものではありませんが、食品衛生学分野では用いられることがあります。

ノロウイルス感染症


症状:通常は1-2日の潜伏期間の後、嘔吐下痢腹痛、微熱が1、2日で治癒する。発症しないまま終わる 事もあります。

発生時期:日本では主として冬場に発症する例が多い。これは、ノロウイルスを蓄積するカキ (貝)を生食する機会が冬場に多いからではないかと考えられています。


感染経路

bullet食品が感染源
bullet汚染している牡蠣(カキ)など貝類の生食
bullet感染している調理者の手指からの二次汚染
bullet感染者の糞便や嘔吐物が感染源
感染予防
bullet食品は中心部まで充分加熱
bullet牡蠣を生で食べる場合は「生食用」と表記されたものを消費期限内に
bulletただし、「生食用」「加熱用」は細菌数で決められるのでこの方法での予防は不完全。
bullet調理器具の消毒滅菌
bullet逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)、消毒用エタノールはほとんど効果がありません次亜塩素酸ナトリウムを用いること が必要です。
bullet手洗い
bullet感染者の糞便や嘔吐物を処理する場合、手袋を使用し、直接手で触れず また、作業後は手をよく洗いましょう。
   
再度確認事項感染防止と予防のためのアドバイス
1 加熱処理で感染防止!
  ノロウイルスは熱に弱いので、カキなどの二枚貝の生食はできるだけ避け、十分に火を通して食べましょう。
 
2 洗って予防!
トイレの後、調理の前、食事の前には、よく手を洗いましょう。
(ノロウイルスは症状が治まった後も、1〜2週間程度、便に排泄されるといわれています。)
調理器具もよく洗い、熱湯などで消毒しましょう。

 
3 二次感染に注意!
患者の便やおう吐物を片付けるときは、ビニール手袋を使用して直接手に触れないようにしましょう。
使った雑巾(ぞうきん)などは塩素系漂白剤(10〜50倍に薄める)に浸し、消毒しましょう。
 

ノロウイルス食中毒になってしまったら ・ ・ ・ ?

吐いたり下したりの症状がひどい場合は水分をこまめに取り医療機関に行きましょう。

もどる

ホーム 診療案内 お知らせ 検査・手術  健康のために一言 痔のお話 発芽玄米は皆の健康の素 介護保険制度  ご意見・ご質問 当院の場所

 

この Web サイトに関するご質問やご感想などについては、otagiri@mve.biglobe.ne.jpまで電子メールでお送りください。
最終更新日 : 2007/6/1