(2006/7/19(水)掲載、2007/8/2(木)加筆修正)
座金・ボルトが折れ込んだ状態 |
ボルト折れ込み部アップ(左側) | ボルト折れ込み部アップ(右側) |
折れ込みボルトに溶接肉盛り |
溶接肉盛り部アップ(左側) | 溶接肉盛り部アップ(右側) |
折れ込み除去用のボルトを溶接 | ボルト溶接部アップ |
右側の折れ込みボルトを除去 |
除去後のねじ穴アップ | 除去ボルト溶接部アップ |
両方とも折れ込み除去 | 除去ボルト溶接部アップ |
作業終了・サンダー仕上げ |
仕上げアップ(左側) | 仕上げアップ(右側) |
このボルト座金は、パワーショベル・バックホー・ユンボのアーム側面に取り付けられているもので、アタッチメント(クラッシャーや小割り破砕機、ブレーカー等)に接続するための油圧パイプを固定するためのボルト座金です。
この事例では、アーム自体に亀裂を生じてねじれてしまい、その結果油圧パイプにも無理な力がかかって、油圧パイプ固定用の座金のボルトが、ちょうど座金の上面とツライチになる状態で折れてしまっていました。
上記の写真では、その除去を行っています。
具体的な作業手順は、まず折れ込みボルトの破断部に、細い溶接棒(2.0mm以下)で少しづつ肉盛りを行い、座金上面よりある程度飛び出るようにします。
このとき、溶着金属が座金側に溶けこまないように、気をつける必要があります。
(※溶着金属が乗っかる程度なら、支障はない。)
次に、不要なボルトの先端をサンダー(ディスクグラインダー)などでV字型に加工し、折れ込みボルトの肉盛り部に当て、左右から溶接します。
このときも同様に、ボルトが座金に溶接されないよう気をつけます。
ある程度、折れ込みボルトと不要なボルトが溶接されたら、あとは普通にボルトを回して抜くだけです。
ねじ穴内部で、折れ込んでいるボルトに曲がり等が生じていなければ、さしたる支障なくスムーズに抜けます。
折れ込みボルトを除去した後は、ねじ穴に新しいボルトを入れてみてきつい(入り難い)ようであれば、ねじ穴をタップで一回さらう必要があります。
この事例では、折れ込みボルトとの溶接に不要なボルトを使用しましたが、場合によってはナットを使うこともあります。
その場合、ナットの穴に折れ込みボルトの肉盛り部をはめ、ナットの穴の内側から溶接をしていきます。
いずれにせよ、この方法だと新たな機械加工が不要なので、少ない時間と労力でねじ穴を復活させることができます。