(2006/6/27(火)画像追加・記述変更)
亀裂の入っている状態 | 亀裂部アップ |
これは油圧ショベルのブームの先端部で、アームを取り付けるブラケットの根元の部分です。
人の腕にたとえると「ひじ」の部分(上腕のほう)にあたります。
ちょうど溶接ビードの際の部分、ブームの下面側から、クラックが生じています。
ブーム上面の亀裂部 | ブーム下面の亀裂部 |
ブーム下面の亀裂部(前方から) | ブーム下面の亀裂部 (前方から、右側アップ) |
この事例では、ブーム本体に対して先端部に、正面から見て右回転(運転席側からみると左回転)のねじれが若干生じていました。
そしてブーム上面には(前方から見て)左側、ブーム下面には(同じく前方から見て)右側に、前後方向のクラックが発生しています。
修理・補強後 | 修理・補強後(反対側) |
ジャッキと冶具を用いて、クラックが生じた箇所の周辺に生じているねじれを修正しつつ、クラック部を(もちろん開先を取って)溶接しました。
また、応力が一箇所に集中しないよう形状を考慮して補強板を溶接しました。
このような箇所の修理の場合、ビードの終端部も、応力が集中して後にクラックが入らないようにするため、母材に対して滑らかな形状になるように、サンダー等で仕上げておく必要があります。