1 北辰斜めにさす所
大えいの水洋々乎
春花かおる神州の
正気はこもる白鶴城
芳英とわに朽ちせねば
歴史もふりぬ四百年
2 紫さむる黎明の
静けき波に星かぞえ
荒涼の気に咽ぶとき
微吟消え行く薩摩潟
不屈の色もおごそかに
東火をはく桜島
3 悲歌に耳籍す人もなく
沈み濁れる 末の世の
参鸞の夢 よそにして
疾風迅雨に 色さびし
古城の風に 嘯ける
健児七百意気高し
4 南の翼この郷に
三年とどまる鵬の影
行途は万里雲わきて
雄図もゆる天つ日や
かどでの昔叫びにし
理想の空に長駆せん
三国蓮太郎