第七高等学校 記念祭歌

 北辰斜めにさす所
  大えいの水洋々乎
  春花かおる神州の
  正気はこもる白鶴城
  芳英とわに朽ちせねば
  歴史もふりぬ四百年

 紫さむる黎明の
  静けき波に星かぞえ
  荒涼の気に咽ぶとき
  微吟消え行く薩摩潟
  不屈の色もおごそかに
  東火をはく桜島

 悲歌に耳籍す人もなく
  沈み濁れる 末の世の
  参鸞の夢 よそにして
  疾風迅雨に 色さびし
  古城の風に 嘯ける
  健児七百意気高し

 南の翼この郷に
  三年とどまる鵬の影
  行途は万里雲わきて
  雄図もゆる天つ日や
  かどでの昔叫びにし
  理想の空に長駆せん

三国蓮太郎