四万十川100kmマラソン奮戦記

日時      2006年10月15日(日)
場所      
高知県四万十市、四万十町
距離      
100km
天候   
快晴

         男子     女子     合計
出走人数     
1298名        178名    1476名
完走人数     
916名        127名    1043名
完走率     
70.6%     71.3%      70.7%

タイム    8時間54分50秒
順位      登記の部      12位/92名
           男子総合      31位/1298名

   


いよいよ出発!

10月15日(日)、四万十川100qマラソンに行ってきた。
俺自身7回目のウルトラマラソン、6回目の100qマラソン、2回目の四万十川である。
前に参加したのは3年前。ここは応募者が多数のために抽選で出場が決まり、
去年、一昨年は抽選から外れてしまっていた。

今回当選したのはいいけど、宿泊や交通の手段をどうしようか思案してたところ、
わかちゃん@レッツランからRUN/WALK-Styleの共同企画ツアーがあることを教えてくれ、それに飛びつくことにした。
今までウルトラマラソンは自分の車で行くことが多かったけど、やはり帰りの運転が辛い!
ウルトラマラソンは家から遠方で開催されることが多いし、
疲れきった体での運転は、睡魔との闘いもすることがあるし、結構危険やもんね。
その点、今回は自分で一切運転することがなかったので、すごく楽チン!
うえちゃんやMARIO、角井君といったよく知った飲み助が一緒やったんで、
バスが発車と同時に宴会モードに入っていた。

昼ごはんは、『まなべうどん』で本場讃岐うどんを満喫した。

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午後4時くらいに四万十川100qマラソンのスタートに到着。
ここで受付を済ませ、5時から始まっている前夜祭に寄って、少しだけ雰囲気を味わった。
ただ、到着したときはあまり料理がなく、ほんまに雰囲気だけやったわ・・

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レース当日。

3時に朝ごはんを食べないといけないため、2時半くらいには起きないといけない。
そのため時計のアラームをセットしたのにもかかわらず、大爆睡をして危うく寝過ごすところやった。
本来やったら100qチームは全員同じところに寝ないといけないのに、
俺だけ唯一60qに参加するうえちゃんと一緒に寝たため、みんなが起きていることに気がつかなかった。
3時20分くらいにRUN/WALK-Styleの三浦さんに起こされ、何とか事なき得たけど・・

夕べは携帯電話でブログを書いたらすぐに寝たので、6時間はしっかり寝たかな?
寝坊したおかげで、頭もスッキリ!(^^;)
周りのみんなはレース前で結構緊張気味やったけど、俺は比較的リラックスしてた。
ただ、気になるのは天気。6月のにちなんおろちは雨での心配があったけど、
今回はピーカンで気温が高すぎるのが心配された。前日も27度くらいあったし・・

今回の作戦は、とにかく前半を押さえること。
いつも出だしは飛び出してしまい、後半ばててしまうというのが俺のパターンやけど、
スタート地点からあまり積極的に前に出ないようにした。


スタート〜5q  26分42秒
5q〜10q    24分45秒
10q〜15q   25分14秒
15q〜20q   28分47秒  (1時間45分28秒)


スタート直前までトイレに行ったりしてモタモタしていたおかげ(せい?)で、スタートは結構後ろのほうになってしまった。
返ってそのほうがよかったのかな? いつも周りにあおられてペースをあげ気味になるし、
前半飛ばしてつぶれることが多かったからね。
コースとしてはスタートしていきなり上り。それが徐々に高配がきつくなってきて、
15qくらいから急に厳しくなる。でも、いくら坂道が厳しくても、決してここでは歩くことは出来ない。
歩くロスを取り戻すのには、あとからすごく苦労するし。。
とりあえず自分の前を走るランナーをあおるようにひたすら我慢のRUNを心がけた。

 

20km〜25km   23分27秒
25km〜30km   22分37秒
30km〜35km   23分01秒
35km〜40km   24分00秒  (3時間18分33秒)


きつい上り坂が21kmまで続いたら、あとは一気に下り。
それまで我慢の走りをしていたけど、ここからは爆走で飛ばしまくる。
俺自身、ウルトラマラソンの下りで膝を痛めることはあまりないため、何も考えずに行けるところまで行った。
先に走っていたランナーをどんどん追い抜かすうちに、MARIOに遭遇。
そのまま追い抜かして先に行こうとも思ったけど、
いやいや、ここはMARIOの後ろにぴたりと張り付き、コバンザメ作戦でじっくり走ることにする。
MARIOも同じように9時間きりを狙ってるし、フルマラソンの実力はMARIOのほうが上。
ここで追い抜かしたところで俺がつぶれてしまったら意味がないし、しばらくは併走して走ることを心がけた。
ただ、MARIOはエイドで全く止まらない。すべての給水は走りながらするため、
俺としても遅れをとらないために必死になってしまったわ。

32qくらいから四万十川が見えだしたけど、「あれ、こんな感じやったっけ・・?」
と思うくらい普通の川やったような印象やった。
ここで四万十川が見えてきたけど、まだこの辺は木陰が多い。
おまけに朝方は少し曇っていたおかげで少し涼しかったけど、
だんだんと晴れ間も増えて気温が上がっていくと、暑さでばてるのではという心配がでてきた。


40km〜45km   24分40秒
45km〜50km   24分09秒
50km〜55km   26分21秒
55km〜60km   26分12秒  (4時間59分56秒)


フルマラソンの標識があったので、そこでもタイムを計測してみた。3時間29分26秒
やった〜!サブ3.5やぁ〜!!なんてのんきなことは言ってられへん。
まだこのあと58km近くも走ることを考えたら、ぞっとしてくる。。

距離計測は1kmずつあるので、自分はどれだけ進んだというのがよく分かる。
それにエイドも2.5kmごとに水は確実にあるし、5kmごとにスポーツドリンクがあるのは、ほんとに助かった。
この暑さでエイドが少なかったら、もっと大変やったやろね。
とりあえずMARIOの後ろをぴたっと走らせてもらったけど、これが思った以上に苦労した。
今回はいつものおちゃらけMARIOとは違って完全に本気モード。
声援に対して手を上げることもないし、エイドも一切止まらず給水をする。
俺のほうがたまらなくなり、立ち止まって給水をすると、たちまち離されてしまった。

55q過ぎの1つめの沈下橋を渡り、
2つ目の嫌な上り坂にさしかかたっときは、MARIOと300mくらい離されたかな?
当然坂道でも全く歩いてへんかったし、このまま先に行ってしまう勢い!
「やっぱり実力が違うなぁ」と感心したけど、感心ばかりもしてられへん。
俺も9時間切りという大きな目標のために、60qを5時間以内に通過しなあかん。
3年前は歩きまくった坂道も、今回は必死に走って登りきることが出来た。

坂の頂上は四万十川が一望できるすばらしい景色が広がる。
でも、今回はカメラを持って走っていなかったので、写すことはできなかった・・


60km〜65km   31分31秒
65km〜70km   28分41秒
70km〜75km   29分46秒
75km〜80km   28分30秒  (6時間58秒24秒)


丘を一気に下っていると、そのあとに渡る橋があり、そこに見られたバスが。
俺たちがツアーで利用させてもらったバスが待機していた。
っということは、今回60kmの部を落選してしまったわかちゃんや、応援部隊の女の子がいることがとっさに分かる。
最初8時半くらいに35km地点で応援すると言ってはったけど、
それやったら俺を含めて何人かのランナーには会えないという話をしたし、いろいろ協議して場所を変えてくれたんやね。
わかちゃんや応援部隊はどこよりも派手な応援で盛り上げてくれた。
ちょっと異常な盛り上がりで変やなと思ったけど、テレビの取材か何かが一緒やったみたい。

わかちゃんが「元気かぁ〜!?」と声をかけてくれたので、
「元気なわけないやろぉ〜」と返事。テレビが一緒やったら、ちょっとまずかった?(^^;)

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62kmを過ぎるとレスステーションに到着。
俺はマッサージ用のローションしか預けていなかったので、脚にヌリヌリ。
給食として初めての固形物であるバナナを口に入れた。
固形物を口に入れたのは、後にも先にもここだけやった。
さすがのMARIOもここでは立ち止まって、自分のケアをしていたみたい。

レストステーションもそこそこにして、あと38qの長旅へ。
コースとしては右側に四万十川が流れているだけであまり変化はなく、
自分がどっち向いて走っているかも分からない状態が続く。
そんななか、先に行ったMARIOが急にペースを落としていた。
前半頑張りすぎたのか、少し調子が悪そう。
心配を横目に先に行かせてもらい、1人で黙々と走り続ける。

それにしても暑い。暑すぎる!!
できるだけエイドは止まらず給水だけして先を急ごうと思っていても、
頭から水をかぶらないとやってられないくらい暑かった。
給水をして出発しても、すぐにのどが乾く。
嫌をなしに、毎回のようにエイドで止まるようになってしまった。
計算では1時間で10q進まないといけないのに、
エイドで立ち止まったら6分/kmでは絶対無理。
かといって、脚も悲鳴を上げかけてるので、それほどペースをあげることが出来ない。
そのうち数名のランナーにも抜かれだすし、だんだん9時間切りが不安になってきた。

「やっぱり今回も9時間切りはあかんのかなぁ・・・
あかんかっても暑さのせいって言い訳すればええかもな・・・・?」
暑さと脚の痛さと疲れでもうろうとしながら、弱気な気持ちがこみ上げてきていた。

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暑さと脚の痛みと疲れのなかで半分諦めモードで戦っているなか、
沿道の係員が読み上げるゼッケンの中に200番台が聞こえた。
一瞬後ろを振り向くと、確かに女性ランナーが迫っている。
「やっぱり速い人は速いなぁ」と思ってよくよく顔を見てみると、
なんと加納姉妹のお姉さん、松村みほさんやった。これにはさすがにびっくり!
加納姉妹とはMARIOを通じて知り合った速くて有名な姉妹やけど、
それでも俺よりも速いタイムやったことがない。
今回も完全にノーマークやったのに、ここで抜かされるとは・・・・
でも、驚いてばかりもいられへん。
松村さんも辛いなか頑張っているのに、俺だけ諦めるわけにいかない。
「一緒にがんばりましょう!」という励ましの言葉に勇気付けられ、しばらく一緒に走らせてもらった。
「せや、辛いのはみんな一緒なんや。ここで頑張らんといつ頑張るねん!」


80km〜85km   30分17秒
85km〜90km   28分38秒  (7時間57分18秒)


80kmを過ぎると施設エイドのテントが見えてきた。
ここは公式のエイドにはないご馳走が並んでいるので有名。
俺も冷たいおしぼりと、コーラーを1杯いただいた。
「おはぎも食べていってぇ〜」
寂しそうに座っているおばあちゃんが声をかけてくれた。
まだそこには誰も手をつけていないおはぎやおにぎり、から揚げみたいのもがたくさん並んでいる。
「あとからたくさん食べに来るから、ゴメンナサイ!」
後ろ髪を引かれる気持ちで先を急ぐ。(後ろ髪ないけど・・)

松村さんについていくのも限界が来てしまい、またまた一人旅。
いよいよもうだめかと思ったとき、3年前にタラ姉ちゃんに追いつかれた場所を通過。
「何してんの?さあ行くで! 自分に負けたらあかんで!!」
頭の中で声が聞こえてきた。

「そうや、俺はみんなにサブ9を宣言したんや。
『残念やったなメール』はもう見飽きた。
今度こそ『おめでとうメール』を見たい。
みんなに祝福される言葉やメールを見たい。。。。
今やったらまだ間に合う。最後まで頑張ってみよう!!!!」
ウェストポーチに入れていた最後のアミノバイタルを口に入れ、
とにかく最後の力を振り絞って走ることを決めた。


90km〜95km   29分37秒
95km〜100km   27分54秒  (8時間54分50秒)


暑さと疲れでだんだん意識が遠く感じる。
自分はまっすぐ走っているつもりでも、溝に落ちそうになる。
でも、ここまできたらやるしかない。
暑い、しんどい、苦しい、やめたい、でもやめるわけにいかない・・

ラスト1kmになって時計を見ると、9時間まで10分ある。
ここで初めてサブ9達成を確信したが、最後の最後に厳しい上り坂。
3年前は歩いてしまったけど、ここまで来て歩くわけにいかない。
「なんだ坂こんな坂・・」自分に気合を入れながら坂を上りきり、
最後の下りで紙ふぶきの荒らしに遭い、
そしてゴール!

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ゴールの先にはわかちゃんや応援部隊の女の子が笑顔で待っている。
俺も慢心の笑顔とガッツポーズでゴール!!
意識をもうろうとしながら出迎えられ、先にゴールした三浦さんとがっちり握手をする。
三浦さんは8時間をきってのゴール。
登録の部でも堂々の2位というからすごすぎやわ。。(@@)

よかった、本当に最後まで諦めなくてよかった。
途中何度も挫折しかかったけど、みんなの顔や声を思い出したおかげで
何とか目標に達成することができた。
これがもしどこの走友会にも所属してなくて、
ランナーに知り合いがいなかったら、早くに諦めていたかもね。。。

一緒に走ったMARIOは持病の喘息で9時間を越えたけど、それでもすごい成績。
60kmを走ったうえちゃんも満足できた走りができたみたい。
ツアー参加の殆どが無事完走を果たすことができ、
夜の7時半にレースは終了した。

レースが終わってお風呂に入り、そして食事。
みんなに祝福されながら、これまでで一番おいしいビールを味わった。
しばらく筋肉痛で階段を下りるのも辛いけど、
またみんなと楽しくマラソンツアーに参加できたらと思う。

今回のツアーを企画してくれた、RUN/WALK-Styleの三浦さん、わかちゃん、
この2日間、本当にお世話になりました。m( _ _ )m
またみんなで楽しく走れるときを、楽しみにしてます!!(^O^)/