第9回 丹後100kmマラソン奮戦記

日時      2008年9月20日(日)
場所      
京都府 京丹後市
距離      
100km
天候   
曇り 時々 晴れ

         男子     女子     合計
出走人数     
913名         103名     1089名
完走人数     
657名          81名      734名
完走率     
72.0%      78.6%      67.4%

タイム    9時間12分15秒
順位      男子総合      23位/657名
              総合      25位/738名

   


丹後ウルトラはほかのウルトラマラソンと比べて辛い!
山の高配だけでいえば、もっと厳しい大会はいっぱい知っていますが、ここの大会はとにかく暑さとの闘いになります。
9月中旬の残暑がきびいい時期に開催され、日中の温度が30度近いときもあったとか・・
特に後半山を降りてからラスト20kmをいかに力が残せてるかが、大きなカギとなる大会です。
去年の第8回大会は第2回に続いて6年ぶりに参加。
今回の第9回で2年連続で参加することになりましたが、まさかまたあの暑い大会に出るとは・・

今回も去年同様『ち〜む怪速亭』でのエントリーですが、
メンバーは俺によしやん先生、イケイケ。さん、チョッパさん、かっちゃんの5人でチーム登録しました。
宿泊は全員同じビジネスホテルで、ほかに太陽が丘の高木さん、ブルーミングの角井くんも同じホテル。
かっちゃんは家族旅行も兼ねてるので、別行動でチェックインしました。
会場には多くの知り合いランナーが集まり、和気あいあいと過ごし、お互い明日のレースの検討を祈ってお別れ。
我々は近くのスーパーでご飯を済ませ、夜9時には就寝しました。。

前回は9時間43分58秒と、なんとかサブテンはできたけど本調子にはほど遠いタイム。
最後はヘロヘロになって、タラ姉ちゃんに叱られながら抜かされる始末。
今年はそんなことがないよう、いろいろと作戦を練ることにしました。

その1 エイドには頻繁に寄らない
その2 碇高原の上りでは孤独にならない
その3 レストステーションでは座らない
その4 ラストまで余力を持って走る
その5 とにかく我慢する!


その1は、給水をしないという意味ではないです。
最初からウェストポーチにペットボトルを持ち、そこから頻繁に給水します。
そうすると、エイドで立ち止まる時間も削減できますし、タイムも伸びます。
また、ラスト5kmで2か所あるエイドもパス。普段の練習でもそこまで給水せえへんし〜

その2は、近くで頑張って坂を上るランナーがいれば、その人についていく。
その人を目標にすれば、おのずと山は上りきれます。
ただ、俺が走るあたりはランナーも少ないので、小さいオーディオプレーヤーをもち、坂を上るときは音楽を聞いていました。
30秒歩いたら、1分走るを繰り返し、それで乗り切れればと思います。

その3は、去年の教訓を生かしてのことで、レストステーションは座らないというのと、
お着替え荷物は2か所とも預けないことにしました。
やっぱりレストステーションでのロスが一番大きいですからね。

その4も、去年は最初から少し飛ばし気味に走っていたので、後半はかなりヘロヘロ・・
今回はそんなことがないよう、できるだけキロ5分をキープして走ることをこころがけました。

その5はそのまま。
苦しくてもしんどくても、最後までモチベーションを保って走りぬく!ということです。

この5つの作戦を胸にいざスタート!!

  

レース当日

100kmの部のスタートは朝の4時半。
そのためホテルを出たのは3時半で、朝ごはんや準備のために2時45分に起床。
毎回ウルトラマラソンは緊張でなかなか寝付けないときがありますが、今回は比較てきぐっすり寝れたと思います。
ただ、眠りに就いた直後に応援メッセージが携帯メールで受信され、それからはしばらく眠れませんでしたが・・(--;;

会場には4時前に到着すると、わかちゃんのアナウンスで熱気もムンムン
今回はレストステーションに預ける荷物は用意してなかったので、時間いっぱいまでウロウロし、いよいよスタートラインへ。
今回も比較的気合が入っていたので前から2列目くらい。
去年の覇者の松下さん、うえちゃんや、、鍵さんのようなつわものと同じところに並んでスタートを待つことにしました。

スタート〜5q  25分52秒
5q〜10q    24分09秒  (50分01秒)
10q〜15q   24分39秒
15q〜20q   23分34秒  (1時間38分14秒)

わかちゃんの司会のなか、10秒前からカウントダウンが始まり、
ゲストの増田明美さんのピストルで一斉にスタート!
スタートしてしばらくしたら、いきなり200mを超える七竜峠がきびしい!
前日に下見をしてある程度のコースは把握してるとは言うものの、
やっぱり真っ暗の中でのRUNではUP/DOWNも分かりにくいし、やっぱりしんどい。
でもまだ始まったばかりやし、それなりに元気におっちらおっちら上ります。
ここは飛ばしすぎず、我慢の走り。

きびしい七竜峠を上って下りるとちょうど10km。
ここからは久美浜湾をぐるっと回るコースとなり、夜も明けてきて周りの風景もはっきり見えてきました。
平坦なところはないんとちゃうかというくらい、微妙な長いゆるやかなUP/DOWNが続き、走っていても疲れやすく感じます。
16q付近にはナシ食べ放題のエイドがありますが、ここは作戦通りパス。
ウェストポーチにヴォルビックレモンで給水をしのぎ、ここまでノンストップで走っておりました。

20km〜25km   24分36秒
25km〜30km   24分21秒  (2時間27分11秒)
30km〜35km   25分15秒
35km〜40km   30分32秒  (3時間22分58秒)

60kmスタート地点のカヌー庫あたりは街となるため信号もあります。
この信号が直前に変わることもしばしばあり、記録を狙ってるものとしてはイライラするところですね。
ここの大会は信号を守ることは厳重されてるし、仕方ないのですが・・
久美浜湾の西側に差しかかり、UP/DOWNも幾分ましになってきたようですが、それでも長い上り坂や下り坂がずっと続いています。

それまで女性ランナーに会う機会もなかったのですが、七竜峠手前で大八木和佳子さんがすごい勢いで抜かしていきました。
一瞬ついていこうとも思いましたが、とても追いつけるようなペースでは・・

35kmあたりでは、去年より7分以上ゆっくりペースでしたが、これも作戦通り。
後半のために余力残す走りに徹していました。
そんなときお腹に少し違和感が・・・
トイレのためにロスを作るのはもったいない気もしますが、これからの長い旅路を考えたら仕方ないです。
去年と同じ35q付近にあった海水浴場の駐車場にあるエイドで用をたしました。
でもロスタイムは3分半だけ。去年より早い!

40km〜45km   25分48秒
45km〜50km   27分06秒  (4時間15分52秒)
50km〜55km   27分52秒
55km〜60km   25分24秒  (5時間13分08秒)


展望台を過ぎていったん峠は下りますが、もう1度きつく上るところがあります。
前方にはリアス式海岸と網野の漁港がいい具合にマッチして、かなりの絶景が広がり、
早くも走ることに疲れを感じてきたとき、お待ちかねの私設エイドが!!
数年前からひろっさんとふきこさんが私設エイドをやっていただき、
今回はじゅんたんやちえりんもお手伝いされていました。
じゅんたんも東京から丹後の応援に来ていただけるということで、それでここまで頑張れたと思います。
きびしい七竜峠ももう少しで上りきるというところで飲ませていただいたコーラ。
特別に用意してくれたフルーツゼリー。ほんとにうまかった〜!!(^O^)/

45qを過ぎるとエイドがあり、ここでのエイドはうどんやマッサージサービスがあります。
去年はのんびりマッサージを受けたけど、今回はどこも痛みがないのでパス。。

エイドを過ぎると、今年からコースが変わって網野町の海岸沿いを走ります。
コースが変わったことで市街地の声援がなくなったのは寂しいですが、
その分信号に引っ掛かることはなくなったのはうれしいかな?
市街地を抜けると、またまた嫌なUP/DOWNが続き、
前のランナーについていくように淡々と走っていました。
その中にはピンクのゼッケンの女性ランナーもおられました。
やっぱりおっさんばかりに囲まれて走るより、中には女性がいたほうが楽しいですよね!?(^^ゞ

緩やかな坂を上っていたらやっと半分地点の50qを通り過ぎます。
初めて参加した7年前は、「まだ半分か・・」と落胆したもんやけど、100qもなれてきたらただの通過点でしか考えないですね。(^^;)
でも、やっぱりあと同じ距離をこれから走らなあかんと考えたら、疲れがどどーっと・・

50qポイントからしばらく行くと、丹後あじわいの郷の中に入ります。
動物とのふれあいやレストランがある施設で、家族で来たら楽しいんやろね。
ただ、これがまた嫌な坂を上らないといけないところやけど、今回のほうがあまり坂が苦ではなかったです。

ここまで膝もふくらはぎも内ももも全然痛みがなく、いい感じで走れています。
やっぱり伊達に8月の走行距離は500kmを超えてへん?(^^ゞ

しばらく頑張ると、56qくらいにある1つ目のレストステーション、弥栄庁舎に到着。
今回は作戦通り座らず、立ったままでの給水をし、空っぽになったペットボトルにはオレンジジュースをたくさん入れていただきました。
これで元気100倍!!

60kmのエイドが過ぎると、いよいよ標高420mにある碇高原への坂に突入します。
今回は去年と違ってゆっくりでも走りきりたい。
でも、どうしても長いいつまでも続く坂はモチベーションも切れそうになります。
走っていて孤独に負けないよう、オーディオプレーヤーで音楽を聴きながら上ることにしました。
俺くらいの位置で走る周りのランナーはすごい人ばかり。あの厳しい坂も全く歩こうとしませんでした。
まるで、この坂は歩いてはいけないような空気まで・・

60km〜65km   32分38秒
65km〜70km   40分39秒  (6時間22分25秒)
70km〜75km   32分40秒
75km〜80km   22分33秒  (7時間21分39秒)


いつまでもいつまでも続く上り坂。
できるだけ歩きたくなかったけど、ここで無理して脚にダメージを与えるのもつまらない。
途中からは30秒歩いたら1分走るを繰り返し、なんとかモチベーションだけは保つことに心がけました。

67q過ぎまで比較的緩やかな上り坂やったのが、頂上に近づくにつれて勾配が厳しくなっていきます。
まさに、四万十川100kmマラソンのスタート直後の坂道と似たような感じですが
既に60q以上走って体力的にもかなり厳しい!!(@_@)
周りには5人くらいのランナーがいましたが、歩いていたのは俺だけ。みんな強すぎる〜!

73q地点にある2つ目のレストステーションに到着し、しばし休憩。
でも、去年みたいに荷物は預けていなかったので、特に座ることもしませんでした。
ここでも空っぽになったペットボトルにオレンジジュースを3分の2くらい入れていただき、
あとは氷をたっぷり。

ヴォルビックレモンのペットボトルを選んだ理由は、口径が他のペットボトルと比べて大きいこと。
口径が大きいと、少し小さい氷やったらたくさん入れることができるし、飲みやすいですからね。
他のレモンウォーターと比べて断然おいしいし、落として傷いっても気にならない。
最終的にはポイできるので、絶対お勧めです!!

レストステーションをあとにしたら、あとは碇高原を一気に下り。
ここは得意の下りで、4分半/qでぶっ飛ばしてました。(^^;)

80km〜85km   29分10秒
85km〜90km   29分42秒  (8時間16分31秒)


80kmを過ぎたところで、まだお昼12時を過ぎてません。
まだどこも故障みたいなのは出てませんし、明らかに去年よりいいペースで走れてる気がします。
今年の碇高原は比較的涼しかったですが、はやりふもとに下りてくると暑さも感じます。
ふもとまで下りると、これで坂道とはおさらばと思ったら大間違い!
今度は緩やかに上ってる海岸沿いのコースが、なんともいやらしく感じてきます。

モチベーションをさげないよう、実はもう1つ工夫をしていました。
工夫といったら変やけど、今回はひまわりの髪留めをウェストポーチにつけて走ること。
これは先日39歳の若さで亡くなったひまわりちゃんの追悼の意味でつけさせていただきました。
ひまちゃんはウルトラランナーの間では知らない方がいないくらい有名で、笑顔の素敵な女性。
今回のレースでも、くじけそうになったらその髪留めを触って自分自身に気合を入れて走ってました。
ひまちゃん、天国で俺の走りを見ていてくれたかな?

90km〜95km   29分06秒
95km〜100km   26分38秒  (9時間12分15秒)


残り10qのエイドの給水を見て、去年を思い出しました。
とりあえずサブ10だけは確信してだらだら給水していたら、後ろからすごい勢いでコップを取る女性ランナー。
そこには「何気ぃ抜いて走ってねん!こらぁ〜!」と、俺をにらんで抜き去るタラ姉ちゃんの姿を。
今日もひょっとしたら後ろから来ていないかドキドキしたけど、よう考えたらエントリーしてなかったわ。。

でも、タラ姉の厳しい視線、ひまわりちゃんの追悼、
そしてウルトラ初挑戦で60qを頑張ってるほりちゃんのことを考えたら、ここでくじけるわけにいかない。
とにかく最後までモチベーションを保ち、苦しいときも辛いときも我慢の走りを繰り返します。

92.8qの海岸沿いのエイドに到着すると、コノチャンが応援に来ていただいたのを発見。
大感激のなか給水していたら、次になんとひろっさんの車が登場!!
そこにはふきこさん、奥村くん、じゅんたん、ちえりんが乗車していて、最後の熱い声援を送ってくれました。
去年もコース上で声援を送ってくれたけど、今年はじかにお話もできて、すごくうれしかった〜!!

93.8qのエイドで給水し、最後の力を!
っと思ったら、わけの分からんほどきつい坂が待っている・・(@_@)
それでも我慢の走りで坂道をクリアすると、ゴールまであと5q。
今回の作戦は成功しすぎと違うとかと思うくらい最後まで余力が残っており、
ここからラストスパートは今までのウルトラでは経験したことないくらいのペースで走れました。

あと4q、あと3qと看板はあり、自分でも気持ちもだんだんと高ぶっているのが分かります。
あと2qになって去年と違って海岸沿いを走ることになったけど、
前日の下見でなんとなくゴールが近づいてきてるのが分かります。
ラスト1qの給水もパスして最後の力を振り絞ってのラン。
去年みたいに曲がり角は少ないのはうれしかったけど、
住宅街の1直線はホントに長く感じました。

そして見えてきました、アミティ丹後。
運よく前後にはランナーがいなかったので、わかちゃんのアナウンスも独り占め。(^O^)
そしてゴール50m手前になると、
「ランナーが帰ってきました。ゼッケン639番。
澤ちゃ〜〜ん!おかえりなさーい!!」
わかちゃんの声に笑顔いっぱいで返事をして、歓喜のゴールをしました。(^O^)/

ゴールしたら、すぐに駆け寄ってくれたのは太陽が丘の高木さんとイケイケ。さん。
高木さんは俺より5分速い9時間07分でゴールだそうで、イケイケ。さんは膝を痛めて無念のリタイヤだそうです。

一緒に参加された、よしやん先生は去年より10分速く、10時間27分でゴール!
チョッパさんは12時間26分、かっちゃんは13時間24分で頑張って帰ってこられました。
みなさん、大変お疲れさまでした〜!!

   

   

今回は9時間30分切りを目指していろいろ作戦を練りましたが、
それが最後までうまくいったのがいい結果に結び付けたと思います。
レストステーションに長居をしなかったことと、ウェストポーチにペットボトルを持って走ったこと。
私設エイドで応援してくれたひろっさんやふきこさん、じゅんたんたち。
そして、ひまちゃんやタラ姉のことなど、いろんな方を思い出してモチベーションを下げずに走れたこと。
走りきったのは俺自身やけど、決して俺1人の力で成し遂げたわけではないと感じます。
ほんと、多くの方に感謝でいっぱいです!!

    

暑くて苦しいレース、走っているときは「何が悲しくてこんなしんどい思いしてるんやろ」
と悩んでしまうときもありましたが、これも全て笑顔でゴールする一瞬のためだけなんですよね。
多くの仲間に守られ、多くの仲間と励ましあい、
時には同じペースで走る、はじめてお会いする方と競い合い、励ましあいを繰り返してのゴール。
家でゲームをしているだけでは絶対味わえない達成感がここにあります。

マラソンは野球やサッカーみたいにチームプレーではないけど、
支えあい、分かちあえる多くの仲間がいれば、決して孤独な競技ではないと感じます。
年齢も出身地も仕事も全然関係ないけど、同じ趣味を愛するもの同士、
いつまでもいつまでも楽しくやっていきたいですね。

またみなさんとどこかの練習会やレースでお会いしましょうね!!(^O^)/