いくつもの愛をかさねて
Scene1.〜出会い〜
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出会いは偶然。
もし、あの事件が起こらなければ。
もし、湾岸署に赴任しなければ。
もし、警察官にならなければ。
もし、会社を辞めなければ。
もし…。
いくつもの偶然が重なって二人は出会った。
ならば。
それは必然。
そして―運命。
Scene 1-A
刑事になって初めて出勤したその日に起こった殺人事件。それは現実というものを
イヤと言うほど思い知らせてくれた。
子供のころ憧れた世界とは、あまりにもかけ離れた現実。嫌になって辞めた
サラリーマンと何等変わる所はなかった。
それでも辞めなかったのは、なぜか?
「わくわくしたかったから」それもある。もう一つは、
あの人に出会ったから。
三つ揃えのスーツに黒のコート。きっちりとネクタイを絞めた一部の隙もない姿。
部下達を従えて歩くその姿に思わず見惚れた。
−カッコイイ。
素直にそう思った。その時はまだなにも知らなかったから。
その後、彼の名前や役職を知った。
室井慎次・警視・警視庁刑事部捜査一課管理官。
本店のキャリア。エリート官僚。
自分たちとはあまりにもかけ離れた存在だと知った。
命じられて、いやいや勤めた運転のさなか、せめて名前ぐらいは覚えてもらおうと
したけど、そっけない態度で無視された。差し出した名詞は目を通してさえ貰えなかった。
病院での被害者の取調べでは、あまりの冷淡さに憤りさえおぼえた。
でも、そのすぐ後で聞いた本店の捜査員の言葉と、車内での彼の切羽詰った言葉を
聞いた時、漠然となにかを感じた。
でもそれがなんなのか、まだはっきりと判らなかった。
Scene 1-M
漠然と感じたなにか。それがなんなのかまだ判らない。
最初に出会ったのは、事件現場だった。およそ刑事らしくない服装と、子供の様に
好奇心丸出しの顔。
新人だろうか。不思議と人を惹きつけるその顔が、脳裏に焼き付いた。
その後はじまった捜査で、彼は自分の運転手を勤める事になった。その時知った
彼の名前。
青島。きちんと紹介されたわけではなく、署長達の会話の中に出てきただけだったが、
その時の自分には十分だった。車内で渡された名刺も目を通さずにそのまま置いた。
名刺に初めて目を通したのは、殺人犯が自首し、事件が解決した後の事。
『…あの人に会って、もう一度話がしたかったんです。あの人ならきっと解かって
くれるから…。きっと助けてくれるんじゃないかって…』
取調べのさなか、犯人が語った『あの人』とは彼の事だった。
別件で取調べを受けた際、調書を取ったのが彼だった。
青島俊作・警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係巡査部長。
改めて名刺を手にした時、彼の子供のような無邪気な笑顔が蘇ってきた。
今まで出会ったどの刑事達とも違う彼に次第に興味を覚えて行った。
To be continude
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連載スタート!と言った割にちっとも進んでませんね。
え〜これから2・3話は、TVシリーズをなぞった話が続く予定です。
私の中の「踊る−」を一度整理する為と、
その後のオリジナル展開の前置きとして。
という事なんですが。
オリジナル…ふふふ。一体どんな話になるんでしょうか?
自分でも、よーわからん(おいっ!!)