いくつもの愛をかさねて
Scene 3.〜友愛〜
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いままで沢山の人達と出会った。
昔からの幼馴染。
学生時代の悪友。
仕事の同僚。
近所の人々。
沢山の人達と出会って
沢山の人達に支えて貰った。
大切な仲間達。
―あの人も…?
Scene 3−A
ある日突然命じられた本店行き。
2年前の事件の犯人が、湾岸署の管内で見つかり、そのため土地鑑のある若い
刑事が必要だったらしい。しかも、自分を推薦してくれたのが、あの室井さんだった。
その時はとにかく本店に行けることと、何よりも室井さんの役に立てる事が嬉しかった。
でもやはり現実は甘くなかった。
一体何度目になるんだろう。相変わらず立ちふさがる「所轄」と「本店」の壁。それから
もう一つ。
「キャリア」と「ノンキャリア」の壁。
エリート意識ばかり高くて点数を上げることしか考えてない捜査一課の刑事達。そんな
彼等の中にいるあの人は孤独だった。だからせめて俺だけでも、と頑張って室井さんの
役に立とうとしたけど。
その結果は最悪。二度も被疑者を取り逃がした。
犯人の確保より、目の前で起こっている出来事を優先した。
命令を無視して女の子を助けた。そのことは後悔してない。
でも結局、俺のやった事は、ますます室井さんの立場を辛くしただけだった。
幸いにも、逃亡した被疑者は湾岸署の皆によって確保され、室井さんの責任が追求さ
れる事はなかったけど、俺が室井さんの期待を裏切った事には変わりなかった。
一度失敗した俺を捜査からはずすどころか、本店に呼びたいとまで言ったくれたのに…。
そんな俺を室井さんはまた助けてくれた。
俺のガキみたいな我侭で、ますます辛い立場に追い込んでしまったのに、それでもあの
人は俺に刑事を続けさせてくれた。
今回は駄目だったけど、いつか室井さんの役に立ちたい。助けられるだけでなく支えられ
るような人間になりたかった。
一人で歩き続けるあの人の為に。
Scene 3−M
今までずっと一人で歩いてきた。
捜査一課という叩き上げの刑事達の中で、キャリアと言う自分は邪魔者以外の何者でも
なかった。
思いどおりに動かない捜査員達。プライドばかり高く、自分の出世と成績の事しか頭に
ない。誰も自分の事を理解しようとしない。
孤独だった。だからあの男を求めたのかもしれない。
青島の子供のような純粋な正義感と強い信念は、今の自分に必要なものだったから。
彼がもし自分の部下として働いてくれたなら、私はもっと上を目指す事が出来るのでは
ないか、そう考えた。
だから湾岸署に協力要請があったとき、私は迷わず彼を推薦した。もしこの件で彼が
手柄を立てることが出来たなら、捜査一課への推薦が出来る。しかしそれはかなわな
かった。
二度による失敗。最初は確かに不可抗力だったかもしれない。しかし、二度目は完全に
青島自身のミスだった。
被疑者の確保より、目の前の小さな事件を優先した。
致命傷だった。彼を捜査一課に推薦することは二度と出来ないだろう。しかし何故、
青島は自らそのチャンスを捨てたのか?
目の前の小さな事件にこだわった青島が理解できず、思わず詰め寄った私と捜査員達
に彼は悲しげに「事件にでかいとか小さいとかあるんですか?」と言い、「こんなものいらな
い」と手帳と手錠を地面に叩きつけた。
その時気がついた。私がやろうとした事は結局他の捜査員達と同じだったのだ。
取るに足りない小さな事件だど苦しんでいる人を無視し、自分のことだけしか考えてい
なかった。
青島のした事は確かに本店の捜査員としては失格だったかもしれないが、人間として、
市民を守る警察官としては正しい事だった。
そして、そんな彼だからこそ私は傍にいて欲しかったのだ。
もし、青島が命令を優先し目の前の苦しんでいる人を無視するような人間なら、傍に
置きたいなどと思わなかっただろう。
私はまた青島に救われた。人として忘れていたことを思い出した。
目の前で苦しんでいる人を助ける。そんな当たり前の事すら出来なくなっていた自分。
青島はそのことに気がつかせてくれた。
そして。
私の中で確実に何かが変わろうとしていた。
To be continued
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や〜と4話め。まだまだ先は長いぞ!(開き直った)
最初は3〜5話の辺りはさらっと流すつもりだったんですが、
やっぱり駄目でした(笑)
まだまだ恋愛感情には程遠い二人。
一体どーなる!
果たして無事に初夜を迎えることが出来るのか!!(大爆)