2.方法はつぎの通りです。
1)透折中に定期的に、例えば週1回など実施しました。対象年齢は42歳〜85歳で、男性10人、女性6 人です。
@ 透析年数/3ヶ月〜18年7ヶ月(平均5年3ケ月)
A マッサージ年数/2ヶ月〜2年9ヶ月(平均1年11ヶ月)
B マッサージ回数/月平均 約3.7回
2)患者一人に対して、右足10分,左足10分合計約20分しました。
その際、次の点に注意しました。
@ 医師に患者の状態や症状の確認を取り,マッサージが出来るかどうか判断する。
A 患者の顔色と足の色,触診により足の硬さ,冷感,腫れ等を観察する。(写真1)
B 患者より現在の体調を聞きながら,膝裏とふくらはぎをよく揉んで下肢への血流をよくする。
C 足専用のマッサージクリームを使用し,足裏の反射区をやさしくマッサージする。
D 指圧して痛みやしこりを感じる部位は,丁寧にしっかりと揉みほぐす。
E 片足ずつ施術し両足終了後,患者様の状態を観察して終了。
3.アンケートによる聞き取り調査期間は平成17年6月23日から6月28日までの1週間です。
V.結 果
1.マッサージでリラックス効果は得られていますか
@ 透析時間が楽に感じた
はい14人(88%) いいえ2人(12%) @
A 気持ちが良くて眠くなった
はい11人(69%) いいえ5人(31%)
B イライラ感が軽減した
はい8人(50%) いいえ8人(50%)
C その他 A
* 足が軽くなった
* 足のだるさが軽減した
* 足や体が温かくなった
3.コミュニケーションによる満足度は得られていますか
はい12人(75%) いいえ4人(25%)
4.これから先の要望はありますか
* マッサージを楽しみにしている B
* 回数を多くしてほしい
* もっと長くマッサージをしてほしい
W.考 察
全ての病気の主要原因の8割はストレスであり,残りの2割にも何らかの形でストレスが関わっていると考えられています。
アンケートでは,対象者の81%が「透析時間が楽に感じた」と提言しています。多くのストレスを抱えながら透析を受けている患者に,心を込めてやさしく足に触れることで満足感をもたらし,辛い透析時間の一時の気分転換が図れたと思われます。睡眠効果についてはリフレクソロジーの途中にも表れる方が多く,69%は「気持ちが良くて眠くなった」として,即効性の実証と共に心地よさの提供が出来ていると考えます。
また、患者にはその日によって色々な訴えが見受けられます。個々の要望に応じて会話を交えながら,体調に合ったリフレクソロジーの手法を用いることで安心感が得られ,50%が「イライラ感が軽減した」となっています。施行中の患者の様子を見ていると、始めは硬い表情だったのが次第にリラックスした穏やかな顔つきに変わっていくのが見受けられます。
このことからも,リラックス効果の評価として「マッサ一ジを楽しみにしている」,[何にも忘れるくらい気もちがいい],「回数を多くして欲しい」などの言葉を聴くことができました。その結果,施術者にとっても大きな喜びが得られ,自信に繋がると同時に向上心とサービス精神を高めることによって,患者とより良い信頼関係が築けていると思われます。
以上のような心理面での効果のほか身体面での次のような効果や気づいたこともありました。
1)自由に水分を飲めない病気ですので、水分調節で毎日厳しい自己管理を強いられているためか喉・気管に不調を訴える方が多いのが特徴です。特に治療中の後半になると喉がかすれたようになるのですが、反射区の「のど・気管」や「たん切り」の反射区を刺激すると即効性が現れて喉が潤いだして咳なども静まります。
2)時々リラックス効果が過剰になり血圧が急激に下がってしまい気分が悪くなる方もいました。
3)原因不明の後頭部の頭痛に苦しんでいた60才位の男性で、透析中の痛み止めの薬も効かなかった方に「小脳・脳幹」の反射区を中心に親指全体と「首」の反射区を丁寧に揉みました。揉んでいるところはとても痛がっていましたが、「頭痛の痛さに比べたら我慢できる」とおっしゃって、1日置に5回くらい揉んだ頃、透析が終わって帰るころには毎日が楽になったと喜んでいました。
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