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『透析患者へのリフレクソロジーの取り組み』
日本足部反射区健康法協会会員 松井 郁子
T.はじめに
最近,日本では癒しのブームが浸透しており,その中でもリフレクソロジー(足部反射区健康法)が次第に人々の関心を集め注目を浴びています。ヨーロッパ等、先進諸国ではリフレクソロジーが,良いマッサ一ジ効果をもたらす事で医療者らの間でも積極的に補完療法として取り入れられているようです。
サイコネフロロジー(腎臓精神医学)による腎不全患者の心理へのアプロ一チの一環として,癒しの環境づくりを行なっている施設があり、私は現在では退職しておりますが、スタッフの一員としてこの施設で経験したことを今日は発表いたします。
この施設では平成14年より台湾式足裏マッサージによるリフレクソロジーを取り入れて実施してきました。重症の腎臓病の患者は、手首から全身の血液を透析機に通して濾過し、不必要な成分を取り去り、きれいな血液にして体に戻す人工透析を専門の施設で受けます。3・4時間にわたる透折中の時間拘束よる身体面や精神面に大きな負担を抱えている透析患者に,精神的苦痛やイライラ感の緩和を目的に,いつでも何処でも簡単に出来て、即効性があり,副作用がなく安全であるリフレクソロジーの特徴が生かせることに着目しました。
バーバラ・クンツはその著『見て分かるリフレクソロジー』で「病に苦しんでいる人がリフレクソロジーを受けることは,効果の有る無しにかかわず、とった行動そのものが闘病生活における前向きな進歩になるはずです。」と述べています。その結果,透析中にコミュニケーションを図りながらリフレクソロジーを行うことで患者の不安感を取り除き,いっときの開放感から心のオアシスとして過ごすことが出来るという,精神面でのよい結果が得られたので報告します。
U.対象・方法
1.対象者は表1の通りです。
1)透析患者数38名中,リフレクソロジー希望者は16名です。