劇場版
「スパイダーマン」
●公開期間:1978年7月22日(土)〜8月11日(金)
●脚本:高久 進
●監督:竹本弘一
■登場マシーンベム:海魔王
アメリカの大人気ヒーロー日本初登場!
その名は「スパイダーマン」!!
マシンGP-7を駆って地球を侵略する悪の組織「鉄十字団」と闘うスパイダーマン。
負けるなマーベラー! 闘えレオパルドン!
我らがスパイダーマン!!
(写真・左)
ある日、買い物帰りの新子と拓次はニンダー達に襲われた。
スパイダー感覚でそれを感知した拓也は現場まで急行、
スパイダーマンとなりニンダーを蹴散らした。
(写真・中)
「スパイダーマン・・・まさしくスパイダーマン!」
遠く離れたビルの上から、その一部始終を見届けた眼光鋭い男は呟いた。
(写真・右)
「山城拓也君だね、君の恋人とご妹弟はお預かりした」
数日後、拓也に一本の呼び出し電話が掛かって来た。
拓也は罠であることを察知したが、
囚われているひとみや新子たちを助け出すために行動を開始した。
(写真・左)
「お待ちしていた、スパイダーマン!」
指定されたホテルの一室(ホテル浦島・813号室)に現れたのは、
先日ニンダーとの闘いをジッと見ていたあの男であった。
彼の名は間宮重三。
鉄十字団と闘う為の秘密機関「インターポール秘密情報部」の幹部である。
間宮は心を割って話し合う為に、どうしてもスパイダーマンの正体を突き止めたかった。
ひとみや新子の近くにスパイダーマンが出没することを知っていた間宮は、
わざと鉄十字団に情報を流し、新子たちを襲わせた。
そして山城拓也がスパイダーマンであることをとうとう突き止めたのだ。
さらに間宮の話によると、
今年に入って、中近東から石油を運ぶマンモスタンカーや
貨物船が魚雷の攻撃を受けて次々に沈没させられているという。
インターポールはその原因が鉄十字団であることを突き止めた。
「スパイダーマン、我々に力を貸してくれ。
手を握り、共に鉄十字団と闘おうじゃないか!」
スパイダーマンにとっても鉄十字団は憎っくき父の敵(かたき)である。
両者はガッチリと握手をした。
(写真・中)
その頃、同ホテルのプールサイドでは・・・
「ねえ、私達にこの招待状を送ってくれた間宮さんっていったいどんな人かしら?」
「どうだっていいじゃない。インターポールの人だっていうし、
充分に遊んでいってくださいって招待されてきてるんだから」
陽気にはしゃぐ新子やひとみたちの姿があった。
(写真・右)
「鉄十字団が来る!」
スパイダー感覚で敵の接近を感知したスパイダーマンは迎え撃つ為にホテルの外に出た。
しかしホテルに残った間宮はそのスキにアマゾネス率いるニンダー別働隊に拉致されてしまった。
鉄十字団モンスター教授は間宮がスパイダーマンの正体を必ず知っていると睨んでいるのだ。
(写真・左)
「スパイダーマンの正体を吐け!」
貨物船に運んだ間宮をアマゾネスは攻めに攻めた。
なかなか口を割らない間宮に対して、さらに、
「スパイダーマンの正体を言わなければ海魔王の魚雷でコンビナートを爆破させる!」
と脅しをかけた。
(写真・中)
鉄十字団はスパイダーマンは海から来るに違いないと読み、
海中に高圧電流で感電死するネットを仕掛けておいた。
しかしスパイダーマンはそれを完全に察知し、GP-7に乗り空から貨物船に潜入した。
そしてまんまと間宮の救出に成功した。
(写真・右)
「おのれ、スパイダーマン! 逃がすな! 追え!」
鉄十字団も黙っているわけではない。
武装ヘリでスパイダーマンを攻撃し、
さらに海魔王を巨大化させコンビナートを破壊するよう指令を出した。
それに対しスパイダーマンもマーベラーを呼びレオパルドンで立ち向かった。
海魔王が繰り出す魚雷をレオパルドンパンチで振り払うと、アークターンで反撃し、
最後はソードビッカーでとどめを刺した。
(写真・下)
圧倒的な力で敵を粉砕したスパイダーマンに向い間宮は言った。
「これからも鉄十字団は我々にあらゆる攻撃を仕掛けてくるに違いない。
しかし私は希望を持った。君の活躍を目(ま)の当たりに見て・・・」
スパイダーマンも闘志をあらわに答えた。
「私は争いは好まない。だが敵が無法な闘いを挑んでくれば、私は断固として闘う!」
二人は互いの意思を確かめ合い、再び熱い握手を交わした。
スパイダーマンに休息はない。
彼が安らぎを得る時は自らの死か、
あるいは鉄十字団を全滅させたその時以外にはないのだ。
闘う不死身の勇士、スパイダーマン!
■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
42秒96
《使用した必殺武器》
レオパルドンパンチ
アークターン
ソードビッカー
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◆劇場版製作スタッフ一覧◆
【キャスト】
スパイダーマン/山城拓也:香山浩介
山城新子:大山いづみ
佐久間ひとみ:三浦リカ
山城拓次:矢葺義晴
間宮重三:仲谷 昇
モンスター教授:安藤三男
アマゾネス/吉田冴子:賀川雪絵
ナレーター:大平 透
スパイダーアクション:古賀弘文
<ジャパンアクションクラブ>
横山稔、井上清和、竹下誠治
岩城一男、蒲原敏明
*
【企画】吉川進 【原作】八手三郎 Spiderman1978(c)Marvel Comic Group
【撮影】加藤弘章 【照明】高橋洋一 【技術】大瀬賢一 【助監督】平松公夫
【録音】秋本彰 【編集】望月徹 【効果】原田千昭 【選曲】村田好次 【製作主任】大里俊博
【記録】福田秀子 【車輌操作】高橋政生 【技斗】金田治(ジャパンアクションクラブ)
*
(株)特撮研究所
【撮影】高梨昇 【美術】松原裕志 【効果】鈴木昶 【照明】日出明義
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【電飾】大晃商会 【装置】協和美建 【美粧】入江美粧 【衣裳】東京衣裳
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【キャラクターデザイン】企画者104・久保宗雄
【キャラクター制作】エキスプロダクション
【オートバイ協力】スズキ自動車
【現像】東映化学
*
(撮影協力)
山下新日本汽船株式会社
東京エアーラインズ株式会社
株式会社 東京ホテル浦島
<補記>
劇場版ということでスタッフやキャスト達にも力が入っていることが覗える。
(アマゾネス&モンスター教授のメイクもいつにも増して気合入ってます!)
当然製作費も通常のテレビ放送版よりは多く掛けており、
船上でのアクションシーン、ヘリコプターを使っての爆破シーン等は圧巻だ。
「マーベラーオートコントロール!魚雷を撃て!」
海魔王がコンビナートに向けて発射した魚雷を、
スパイダーマンは遠く離れたマーベラーにブレスレットで指令を出し、
マーベラーはカノン砲で魚雷を爆破した。
この遠隔操作によるマーベラー操縦はテレビ放送版ではなかった機能だ。
また今回使用した武器、レオパルドンパンチも本邦初公開である。
鉄十字団の武装ヘリを奪い、スパイダーマンがヘリを操縦しながらGP-7を呼び、
空中でヘリからGP-7に飛び移るシーンはかっこいいの一言。
マーベラ→レオパルドンへの変形シーンも丁寧に扱っていて見応え充分。
この後、このシーンに魅入られた子供達の多くが、
丁度発売になったばかりの「超合金レオパルドン」や
「ポピニカGP-7」を親にせがんで買ってもらったことだろう(笑)。
追記:間宮が鉄十字団にスパイダーマンの出没情報を流したことと、
ラストのシーンのスパイダーマンが間宮と並ぶとやたら小さいことは突っ込み不可(笑)。
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