2005年6月

 6日  
     ARTIST Joe Perkins
    TITLE  Try Love/Hungry For Your Love
    LABEL  BLUFF CITY220


               
(画像提供tk氏)

  74年産のサザンソウルです。このJOE PERKINSというシンガーはおそらくメンフィスのシンガー
 だと思われる。  サザンソウルファンには他にPLUSH盤などが知られていますね。このBLUFF
 CITY盤はで同時代のスターであったAL GREENの影響を強く感じさせるヴォーカルが印象的なモダン
 なサザンバラードです。 70年代ディープソウルの名盤の一つと言えるでしょう。


            
 
 16日
    
      ARTIST The Best Of The Both World
     TITLE  
I Want The World To Know/Moma Bakes Biscuits
      LABEL CALLA 5002

                      

  WINFIELD PARKERというシンガーをご存知でしょうか?ディープソウルのシングルを熱心に集め
 ている方ならお馴染みの名前でもある。60年代後半から70年代にかけてRU-JAC,WANDといった
 レーベルで「I'M WONDERLIN」「WHAT DO YOU SAY?」などの忘れがたいディープソウルのレコード
 を残してきたシンガーである。 どことなくARTHUR CONLEYとスタイルが似ていることも指摘されるこ
 ともある。
  その彼が1975年にRALPH FISHER率いるBOTH WORLDというバンドを従えて結成したのがTHE B
 EST OF BOTH WORLDいうグループです。そしてNATE MACALLA所有のCALLAレーベルでリリース
 されたのが今回紹介するシングルである。
  「I WANT THE WORLD TO KNOW」は極上のバラードだ。女性との艶かしいやり取りからディープなヴ
 ォーカルになだれこむ展開はぞくぞくするほどである。裏面の「MAMA BAKES BISCUITS」もバックのB
 OTH WORLDのファンキーな演奏が冴えていて良し。グループファンもファンクファンも是非入手していた
 だきたいお勧めの一枚です。ちなみにアレンジはAL JOHNSONが担当しています。
  その後THE BEST OF THE BOTH WORLD名義で「I WANT THE WORLD TO KNOW」(CALLA1236)という
 LPを製作していますがそちらは未入手・・早急に入手したいものです。


  24日
     ARTIST Billy Hambric
    TITLE  
New York City Baby / I Just Can't Stand It
     LABEL Soho 5001

                     

  60年代初頭から半ばにかけてのニューヨークのソウルシーンは非常に充実していた。GARNETT MIMMS
 やBEN・E・KING、そしてSOLOMON BURKEといった人たちが従来のR&Bをさらにゴスペルテイストを織り
 交ぜたダイナミックなスタイルで歌い始めたのが60年代初頭のことであった。それらのエネルギッシュなシン
 ガー達の影響に加えSAM COOKEがスーパースターになったことに感化されてそれこそ雨後の竹の子のよ
 うに教会から路上からシンガーを夢見て黒人達がレコーディングし始めたのであった。いわゆる「ソウルの夜
 明け」の始まりである。
  当然大都市であるニューヨークも多くのシンガーが夢だけをポケットに入れて集まり始めた。そんなシンガー
 の一人が今回紹介するBILLY HAMBRICだ。BILLYのシングルはDUCAN,JOVIAL,FURYなどからリリースされて
 どの盤も平均点以上の評価を受けている。特にLIGHTNIN HOPKINSなどのブルーズの名盤を数多くてがけWILL
 IE HIGHTOWERやJOE HAYWOODの生みの親として知られるBOBBY ROBINSONのレーベルFURYから発売され
 た3枚のレコードはディープソウルファンは必聴のお皿といえるであろう。(自分は一枚しかもっていないが・・。)
 最近ではアーリースタイルのJOVIAL盤がイギリスで人気があるそうだ。
  今回紹介するSOHO盤は私が一番好きなBILLYのレコード。某レコードコンサートで聴いて以来惚れ込んでいま
 す。このレコードは同じ番号でLEEというレーベルから発売されているがこちらがオリジナルだと思われます。今の
 ところLEE盤は見かけたことがありません。珍しいのであろうか?
  で、肝心の内容ですが「NEW YORK CITY BABY」は疾走感たっぷりの気分爽快なジャンプナンバー。どことなくソ
 ウルというよりもロックンロール的なノリの曲です。裏の「I Just Can't Stand It」こちらは素晴らしいディープバラー
 ドだ!しみじみとしたメロディの合間に曲のテンポが崩れるところで思いつめ たように歌うBILLYが素敵だ。まだアー
 リーソウルの雰囲気が残っているのが良い味をかもし出している。繰り返して聞きたくなるバラードだ。

  その後ニューヨークソウルシーンはOTIS REDDINGなどの南部のサザンソウルの影響を受けながらBERT BARN
 S達のSHOUTレーベル設立、JERRY RAGOVOYといったプロデューサーの活躍によりBOBBY HARRIS,DONALD
 HEIGHT,HAWARD TATEといったシンガーが南部に負けない激ディープなレコードを世に送り出していくのであった。
 まぁそこまでにいたる過程にはBILLY HAMBRICのようなマイナーなシンガーが数多くの良質なレコードを残していた
 ことを無視はできないであろう。


  30日    
   ARTIST Jimmy Armstrong
   TITLE
 I'm Going To Lock My Heart / Count The Tears
    LABEL enjoy 1016
        
              (画像提供tk氏)

  これまたディープソウルファンには大人気のシンガーの登場だ。 brothers three盤における完成度の高さは
 未だに語り継がれている。好きなディープソウルのレコードを語るときにおいて必ずといいぐらいこのお皿が話題
 に上るぐらい有名なレコードだ。 他にも激レア値段高め専門レーベルともいえるShrineに残した蛍の光のイント
 ロで始まる切ないディープバラード「I'm about say goodbye」や酔っ払って暴れて手に負えないオヤジにソウルを
 歌わせたかのようなはちゃめちゃなJET SET盤など興味深いレコードを少なからず残しててくれています。しかし
 その大部分が値段が高めでしかも見つからないという状況なのが残念なことです・・。
  そんな彼のレコードで私が所有しているお皿が比較的入手しやすいSTOP盤と今回紹介するenjoy盤である。
 彼の詳しいディスコグラフィは解らないのですが前回のBILLY HAMBRICK同様彼もNY周辺のシンガーらしいです。
 そこでBOBBY ROBINSON所有のソウル専門レーベルenjoyレーベルに吹き込まれたのがこのレコードである。
  とにかく辛口のレコードだ。彼の歌い方をどう表現したらいいのか言葉が見つからない。シャウトというよりただ言
 葉を吐き散らせているといった具合だろうか・・。上手いのか下手なのかわからない・・そんな脳髄をかき回されるか
 のようなフリーキーなヴォーカルがミディアムテンポのバラードの世界で縦横無尽に暴れまわっているのだから
 たまらない・・・。初めて聞いたときはこの人真面目に歌っているのかな?と耳を疑った。大宮のソウルバー「DEEP」
 のマスターに聞かせていただいたBrothers Three盤ではベーシックなディープソウルの歌い方をしていて聞かせてく
 れたのだが・・。
  そんな変態系シンガーではあるがレコード盤に刻まれているのは60年代半ばのソウルミュージックの黒い息吹で
 あることには変わらない。一度聞いたら忘れらないそしてもう一回聞きたくなる麻薬のようなレコードです。両面ともミデ
 ィアムバラードでグレートです。でもこのお皿・・というよりJIMMY ARMSTRONGのようなシンガーはディープソウルフ
 ァンにしか理解されないかもしれないな・・。