2005年7月
7日 | ARTIST Nelson Sanders TITLE The Love Is Here To Stay/Tired Of Being Your Fool LABEL La Beat6608 ![]() ソウルミュージックを聞いて鳥肌が立つような寒気を感じた経験が2度ほどある。それはO.V.WRIGHTの来日時の映像 を見たときとNELSON SANDDERSのSOUL KING盤を聞いた時だ。 NELSON SANDERS・・・日本のディープソウルファンにはある意味神格化されているようなシンガーだ。レアなRamble r盤をコレクターが血眼になってさがしているということ。またリリースが予定されていながらプレス工場が火災にみまわ れレコードが溶けてしまいお蔵入りになってしまった「I HOLD THE KEY」。でもこのレコードは90年代にマスターテープが 発見されてSOUL KINGというレーベルでリリースされている等のエピソードから半ば伝説化されているようなデトロイトの シンガーである。 そんな彼のレコードのなかでも比較的入手しやすく一番人気が高いといわれるお皿が今回紹介するLa Beat盤である。 ディープバラードの「TIRED OF BEING YOUR FOOL」が素晴らしい。南部産のFAMEやSTAXなどに比べればバックの音が スカスカで貧弱であるのが不満だがとにかくヒステリックな奇声を発しながら歌い上げられるヴォーカルが凄い。まるで全 ての悲しみを背負ってしまったかのような歌い方をするのだ。繰り返して聞きたいと思わないが一度聞いてしまうと心に突 き刺さり離れることがないような世界がここにある。裏はデトロイトらしいノーザンナンバーでなかなかです。 |
16日 | ARTIST Curtis Blandon TITLE Young Dumb/I Need You LABEL Tower355 ![]() またまた定番ディープを紹介しよう。このお皿もディープファンならば大抵の人は知っていると思われる。 その昔THE DUBSという有名なDOO-WAPグループが活躍していた。「Could Be This Magic」などのヒッ ト曲で知られているグループだ。そのTHE DUBSのリードシンガーがRICHARD BLANDONというシンガーだ。 今回紹介するCURTIS BLANDONはRICHARD BLANDONの兄弟である。おそらくニューヨーク周辺のシンガー であろう。 詳しいバイオグラフィーは曖昧で申し訳ないのですが今回のTOWER盤を紹介することにしよう。 表の「Young,Dumb」が素晴らしい。いわゆるサザンソウルに影響を受けたタイプのディープバラードである。 冒頭の心を突き刺すハイテナーの絶叫から部屋の空気は瞬く間にディープワールドが立ち込めてくる・・切な い曲展開が続き中盤での吐き捨てるようなシャウト・・そしてラストを盛り上げるホーンセクション・・・。 まぁディープソウルの基本公式に忠実な曲ともいえるが決して退屈させられることがなくまた繰り返し聞きた くなる名バラードだ。 裏は元気のいいいわゆるノーザンタイプの曲です。こちらも決まっている!! とにかくこのTOWER盤はこれからディープソウルを聞こうという人にもお勧めのお皿でもあります。 CURTIS BLANDONにはこのほかにWAND盤やBUDDHA盤などのお皿があります。特にBUDDHA盤の「SO MU CH TO GIVE」でのSAM COOKEを意識した悶絶寸前のディープバラードは必聴である。 その後70年代にはCURTIS BLANDONは兄のRICHARD BLANDONのTHE DUBSに加入して活躍したといいます。 |
26日 | 今回はお皿の紹介ではなく何故ソウルミュージックのシングル盤を買うのか?について説明したいと思います。 1.ディープソウルやノーザンソウルの全盛期である60年代~70年代初頭ぐらいまでのソウルのレコードの大部分がシ ングル盤という形態でリリースされていてLPだけでは大部分の曲を聴くことが不可能なためシングル盤を追い求める。 またLPを作れなかったような無名のシンガーにも素晴らしい人たちがたくさんいるのでシングル盤を集める。 (シングルコレクターの大多数の人がこの定義に当てはまると思われます。なにしろLPを作れたシンガーなんてこの時代 には2割程度でしょ。) 2.1に加えて有名シンガーのヒット曲をLPやCDではなくりクオリティの高いシングル盤で1曲を大切に思いながら聴きたい という理由。 (MOTOWNやSTAXでLPを作っているようなシンガー。MARVIN GAYEやOTIS REDDINGのようなビッグネームの有名曲は シングルで押さえたいという人。) 3.また有名シンガーのNOT ON LPを聞きたい。 (LPを何枚も製作しているようなシンガーにもシングルでしか聞けない曲もあります。そうゆう曲に名曲が多いと聞くと聞いて みたくなるでしょ?) 4.メジャーなシンガーでは味わえない泥臭さや怪しさローカル臭さが好きな人。 (インディーソウルなんかにも言えることですがある意味売れ線を狙った音作りのメジャーシンガーの音からは味わえない インディーならではシングル盤のシンガーならではのイタなさが好きということ。メジャーに負けないクオリティを持つレコード もたくさん知っていますが個人的にそれは追い求めていない。武道館でビッグアーティストのライブを見るよりも地元の小さな ライブハウスでの渋めのシンガーを見に行くほうが好きという感覚と同じ。解るかな?) |
31日 | ARTIST Dillard&Johnson TITLE Here We Go Love Again/ / same inst. LABEL Piedmont076 ![]() Moses Dillardという名前で思い浮かべるものは何か?Moses Dillard&Tex Down Display名義で製作されたレアなLP。 (若き日のPEABO BRYSONが在籍していた。)あるいはPreludeレーベルでBill BrandonやLorrain JohnsonのLPをプロデ ュースしたこと。またSHOUTやCURTOMで録音した名曲の数々・・。人それぞれ色々だと思いますがシンガーとして歌う傍 らプロデューサーやスタジオミュージシャンとしても活躍した実に多彩な人なのです。 今回紹介するお皿は彼のレーベルであるPiedmontで製作されたレコード。(PiedmontといえばBill Blandonの世紀の名曲 「Tag Tag」で有名なレーベルですね。)彼と先に述べたようにPreludeでLPを製作するレディソウルLorrain Johnsonとのデュ エットです。(Sam Dees作のATLANTIC盤「CAN I HOLD IT TO YOU」は聞きものです。) 嫌でも何かを期待せざるおえないようなロマンチックなピアノのイントロから始まり一瞬の静寂を切り崩すようなドラムとギ ターがなだれ込む幕開けする。Moses Dillardのヴォーカルが待っててましたとばかしに登場しあとから少し控えめにLorrain Johnsonのヴォーカルがハモる。いや~この部分だけで座ってなんかいられなくなる。いわゆるフロアーに飛び出したくなる のだ。このレコードが作られた76年はフィリー全盛の頃ですが南部でもフィリーダンサーに決して負けないダンサーが作ら れていたという良い見本ですね。 この曲は大手レーベルEPICでもリリースされていますがイントロんもロマンチックなピアノがカットされています。これではま るでソースをかけないで豚カツを食べるような味気の無さです。ピアノのイントロがあるのとないのとでは大きな違いがあります。 誰か!イベントなどがあれば呼んでください。絶対にこのレコードをプレイしますよ。 |