2005年5月

 15日         
    ARTIST Terry Collins
   TITLE  I L.O.V.E. Y.O.U. / Action Speaks Louder
   LABEL  Kwanza 7739
     


               
  

   数多いフィリーダンサーの中において屈指の名曲であるといえるレコード。もしイベント
  でDJなんか頼まれたらオープングはこの曲にしますね。とにかく歌いだしからメロディに関
  係なく好き放題がなりたてながら突進していくようなヴォーカルに「I.L.O.V.E.Y.O.U」というタ
  イトルそのままアルファベット読みのお馬鹿なサビに続く流れはいつ聞いても感無量(笑)。
   「I LOVE YOU」の告白は男ならば気取らないで気合で押しまくれといったところでしょうか?
  告白前の10分前にどうぞ。
   彼のレコードは同じKWANZAで2枚、SILVER BLUEで1枚しか残していません。ただソングラ
  イターやプロデューサーとしてフィリーのレコードに名前を見かけることがあります。

  16日
    ARTIST Timmy Willis
    TITLE
 Easy-as-Saying 123/I'm A man
    LABEL Jubille5690

                

   30年以上もの間ディープソウルクラシックとして聞き継がれている名曲。ディープもディープ。
  どディープな曲です。 軟弱な男には耐えられないであろう重たいバックに聞いているほうも血管
  がぶち切れるのではないか?と圧倒されまくるシャウト。 けちなソウルファンには聞いてもらいたく
  ないディープソウルの名曲ですね。
   TIMMY WILLISはデトロイトのシンガーですがこの曲はOTIS REDDINGを中心としたメンフィスや
  アラバマのサザンソウルを多分に意識しているのが良くわかりますね。録音は南部かな?

   彼はその骨太なスタイルでepicやveepといったレーベルで魅力的なレコードを残しています。
  デトロイト産の辛口ディープソウルを聞いてあなたも硬派な男になってくださいな。


  26日  
    ARTIST   Willie Johnson
   TITLE   Left Over Love/I Can't See My Self

    LABEL  FUTER STARS1009

                  

   今回はサザンソウルファン、とりわけ7インチコレクターならば誰もが憧れるお皿を紹介しよう。

  WILLIE JOHNSONはサザンソウルファンには馴染み深いジョージアのシンガーである。CATや
  DRIVE,SAVANA INTERNATIONALといったレーベルに残したレコードはどれも南部の宝石とでも呼
  びたくなるような内容でサザンソウルファンを魅了し続けてきた。 名門ゴスペルグループGOSPEL
  KEYNOTESに在籍していたことでも知られています。
   そんな彼のレコードの中でとりわけ日本のサザンソウルファンの間で伝説となっているのが75
  年に録音されたFUTER STARS盤だ。このFUTER STARSというレーベルはCLARENCE CARTERが
  所有していたレーベルで70年代半ばのレーベルでありながら60年代的なオーソドクッスなサザン
  ソウルを目指していた。MARGIE ALEXANDER,MATILDA JONES,HERCY TAYLORなどが素晴らしい
  レコードを残している。こんなサザンソウルの伝統を頑固に守り続けているレーベルにWILLIE JOHN
  SONが録音しているのですからグレートでないはずがない!FUTER STARSの★のレーベルデザイン
  とともに永遠に語り継がれていくであろう究極の出来の良さなのである。
   表の「LEFT-OVER LOVE」はC.L.BLASTがオリジナルのミディアムテンポのファンク。そして裏の
  「I CAN'TSEE MYSELF」はCLARENCE CARTERのカヴァーのサザンバラードなのですがこれが涙なし
  では聴くことができない鳥肌ものの出来なのです。CLARENCE CARTERのオリジナルも大好きなので
  すがこちらはもっと魂がこもっている。歌から伝わる感情表現が数段違う・・。最後まで握りこぶしを作っ
  てしまいそうな熱気・・。本当にディープソウルに出会えてよかったと思える瞬間です。
   このレコードは早稲田の「キャプテン」のマスターがアメリカで発見して買い付けてきたレコードという
  ことで日本では150枚ほどあるらしいが今やリストでもオークションでもほとんどみかけることのない
  レア盤となっています。

 27日
    ARTIST Willie Johnson
    TITLE  Between The Lines/It's Got Be Tonight
    LABEL
CAT1979

              (画像提供N氏)

  
WILLIE JOHNSONは70年代初頭にTK系のレーベルで録音しています。DRIVE盤とこのCAT盤がそれで
 す。 72年作のこのシングル盤で日本で彼の存在が知られるようになったそうです。それはなんといっても
 裏のサザンバラード「IT'S GOT BE TONIGHT」が余りに素晴らしかったからである。ゴスペル的なコーラスと
 切ないピアノの旋律のイントロから始まりWILLIE JOHNSONの思いつめたようなヴォーカルがゆっくりとかぶ
 さってくるとだんだん感情を抑えきれなくなったのか曲の盛り上がりとともに思いっきりがなりサビの部分へとクラ
 イマックスに達する・・。こんな奥行きが深く聞き手の心に染み渡るような曲があるだろうか?
  裏の曲は「BETWEEN THE LINES」はSWAMP DOGの相棒のCHARLIE WHITEHEADも同時期に取り上げてい
 るがとりわけ話題にする必要のないファンクナンバーです。 とにかくサザンソウルファンは言うまでもなくサザ
 ンソウルは苦手という人もソウルを聞き始めの人も絶対に「IT'S GOT BE TONIGHT」を聞いて見て欲しい。
 これが駄目ならばソウルはやめたほうが良いと断言できます。
  余談ですがマイアミのソウルシーンと言うとK.C&THE SUNSHINE BANDとかのイメージがありますがWillie Jo
 hnsinをはじめJ.P.Robinson,Melvin Carterといった人達がディープなレコードを人知れず作っていたことは記憶に
 留めていて欲しい。

  それにしてもこの曲を作ったCLARENCE REIDという人は一体何者なんだ?彼はマイアミソウルシーンの中心
 人物としてBETTY WRIGHTなんかを育てた人物で自身もシンガーとして活躍したマイアミのいやサザンソウルシ
 ーンの中心人物ですが何故その彼が、彼が・・覆面をかぶりBLOW FLYなるシモネタ変態ラッパーに変身
 してしまったのか・・ソウル界の7不思議だ・・。