BARBARA LYNN/YOU'LL LOSE A GOOD THING

1.SECOND FIDDLE GIRL 2.GIVE ME A BREAK 3.DINA AND PETRINA 4.LONELY HEARTACHES
5.YOU DON'T SLEEP AT NIGHT
6.YOU'LL LOSE A GOOD THING 7.HEARTBREAKING YEARS
8.TEEN AGE BLUES 9.WHAT I NEED IS LOVE 10.YOU DON'T HAVE TO GO 11.LETTER TO MOMMY AND
DADDY


  夜の港に一人たたずみ、波の音を聞きながら物思いにふける。遠くからかすかに聞こえてくる汽笛の音。バーバラ・リンの歌には、その
 汽笛の音と似たような余韻を感じる。メランコリックで憂いを含む心に染みいるメロディが疲れ気味の心を包み込む・・・。
 また、バーバラ・リンの歌を一人で部屋でじっくりと聞いていると、本当に目の前にバーバラ・リンがギターを小脇に抱えて歌っているような
 錯覚を覚えてしまう。聞いていくうちにその世界にどんどん引き込まれていくそんな魔力をもったシンガーがバーバラ・リンだ。
  一緒に泣きたくなり、一緒に踊りたくなる。聞き手と一体になれる。聞き手の立場に立って歌える。本当に生身の自分を伝える音楽ができる
 真の意味でソウルシンガーと呼べる数少ないシンガーである。
  テキサス出身の彼女をニューオリンズのコズモスタジオに連れていき録音させたのはテックスメックスなどのシーンで有名なプロデューサー
 のヒューイ・P・モーだ。彼女はヒューイ・P・モーのプロデュースのもとで「YOU'LL LOSE A GOOD THING」の大ヒットを生み出す。
 熱気よりも静寂間すら感じられるバックに少しハスキーだが可憐なヴォーカルが岩に落ちる滴のようにしみじみと感情を吐き出す。
 まるで、別世界へと誘われていくかのようにバーバラ・リンの世界へと引き込まれていく・・・。
 バーバラ・リンはこの曲のスタイルを基本に60年代前半のアーリーソウルの時代にヒットを生み出し続けた。
 「UNTILL THEN I'LL SUFFER」や「YOU'RE GONNA NEED ME」など私にとって百カラットの宝石のように輝き続ける最高のソウルミュージックを
 バーバラ・リンはプレゼントしてくれた。彼女の歌を聞く度に60年代ソウルは最高だと声高に叫びたい衝動にかられてしまう。
 
バーバラ・リンはその後サザンソウルにアプローチした名作を残したりしながらコンスタントに活躍を続ける。そして、84年には日本にも来日し
 素晴らしいステージを見せてくれた。今でも語り草になっているほどだ。
 21世紀になったいまでも健在であり、ギターを小脇に抱えて歌い続けているといいます。
 そんな彼女が一番最高だった60年代に製作されたこのアルバムは絶対に聞いて見て欲しいアルバムです。60年代という時代にバーバラ・リン
 というシンガーにしか作れない奇跡の瞬間を共有することができる歴史的名盤です。